部下や後輩に仕事を依頼するとき、あなたはどのような言い方をしますか?

「◯◯をやりなさい」

「◯◯をやってください」

下の方は若干ていねいですが、どちらも命令形の言い方ですね。

「◯◯をやってもらえますか?」

と、質問の形で頼むこともよくあるかと思います。

形は質問ですが、上司からこう言われて「いやです」と断ることが考えられないような場合は、ほんとうの質問ではなく、単に言い方の問題ですね。

もちろん、よりていねいに、相手の自主性に配慮する言い方をすることは大切ですから、「形式だけ質問にしてもしかたがない」と言いたいわけではありません。

ただ、上のような言い方は、形はどうあれ業務命令なのですから、言われた方は、「単に上司に言われたことをやっているだけ」という気持ちになりがちです。

部下や後輩が「これは自分の仕事だ」「自分自身がやらなければ」という、当事者意識をもって、仕事に取り組むようにするにはどうしたらいいのでしょうか。

答えはひとつではありませんが、いますぐ取り組める方法として、仕事のやり方について質問するという方法があります。

「◯◯の仕事をうまく動かすには、どのようにしたらよいと思いますか?」

「あなたに◯◯をまかせたいが、成功させるために、ないかいいアイデアはないでしょうか?」

このように問いかければ、部下は自分自身が◯◯に取り組むことを前提に、頭を働かせます。

実際にいいアイデアが出てくることもあるでしょうし、結果的にいままでのやり方を続けることがよいということになった場合でも、自分自身が主体的に問題に取り組んだという意識を持つことができます。

そうなると、たんに「言われたからやるだけ」という意識のときよりは、高いパフォーマンスを残せることにもなるのです。

そして、自分の意見をよく聞いてくれ、実際の仕事に取り入れようとする上司は、「ただ命令するだけ」の上司より、自分を信頼してくれている、と、質問された側は感じます。

自分を信頼してくれる上司だからこそ、部下も上司を信頼するという気持ちになれるのです。

仕事のパフォーマンス、そして、職場内の信頼関係、どちらにもよい影響がある方法です。

相手のモチベーションに働きかける質問を、ぜひ身につけたいものですね。