社会保険労務士としてご相談を受けていますと、法律などをいろいろ検討した結果、ご相談者の方の希望には添いかねるということも、どうしてもでてきます。
結果的に、「あなたのご希望はこういう理由でムリです」とお伝えしなければなりません。
そういう場合、悲しむ、怒るという反応を予想していたのに、「ありがとう」と感謝されることも多々ありました。
もちろん、誠意をもって対応しましたが、ダメだったのに感謝されるってどういうこと?
とまどい、申し訳なく思いました。
「ありがとう」と言われた理由は、
「きちんと話を聴いてもらえたから」
「いっしょうけんめい考えてもらったから」
ということだったようです。
「すっきりしました」と言われたこともありました。
ご相談者の方は、わたしに相談したことで、当初考えていなかったなにかを得たわけです。
それってなに?
どうしたら、他の人にも、そういうすっきりした気持ちになってもらえるんだろう?
と考えたことが、コミュニケーション、とくに、「話を聴く」ということに興味を持ったきっかけです。
いまになって考えてみると、ご相談者の方が求めていたのは、自分の希望を実現する方法を教えてほしい、ということだけではなく、自分の話をしっかり聴いてほしい、自分の意見を認めて、力になってほしい、ということだったのだと思います。
長年心に抱いていた悩みだったり、周りの人に相談しても
「そんなのムリだよ!」
と、簡単に切って捨てられたりした悩みに対して、真剣に対応してもらえた、
そういう満足感があったのではないでしょうか。
わたしがそのときしたことは、具体的には、じっくりとお話を聴き、少しでも解決の可能性がないか、いろいろな角度から検討したということです。
その行為を通して、
「あなたのことを尊重しています」
「わたしはあなたの味方です」
というメッセージを、無意識に相手の方に伝えていたのでしょう。
もちろん、そういう気持ちを持つことが第一歩ですが、そういう気持ちがあったとしても、それが相手の方にきちんと伝わらず、信頼関係ができない、という、悲しい状況も、世の中にはたくさんあります。
「あなたの味方です」という気持ちを、的確に、効果的に伝える方法論というもがあるのに、それを知らずにうまくいかない、ということも、またたくさんあります。
職場での人間関係に悩んでいる多くの方に、そういう方法論をお伝えしたい。
ひとりひとりがそのようなコミュニケーション・スキルを身につけることによって、仕事がスムースに動き出す、個人的にも生きづらさが減って、毎日が楽しくなる。
そのお手伝いがしたい、というのが、わたしの望みです。
どうぞ、お気軽にご相談ください。
わたしは、あなたの味方です。