社会保険(健康保険・厚生年金保険)には、正社員だけでなく、パートやアルバイトの従業員も、一定の条件を満たせば、加入させなくてはなりません。最近は、時給で働いている従業員で社会保険の被保険者になる人が増えてきました。

時給者の場合、月給者とは少し違う扱いがあります。
それは、随時改定(月額変更届)に該当するかどうかという部分です。

月額変更届を出すかどうかというのは、固定的な給与に昇給や降給などの変更があり、給与の変更後3ヶ月間を平均して、いままでの標準報酬月額の等級より2等級以上変動する、というのが条件でしたね。

では、時給で働いているパートタイマーが、いままでと同じ時給で、一日7.5時間の所定労働時間であったのが、都合で、6.5時間になった場合はどうでしょうか。

たとえば、時給1,000円の人が月に20日間稼働したとすると、1日7.5時間の場合は、月額給与は下記のようになります。
1,000円×7.5時間×20日=150,000円
標準報酬月額の等級は「12等級150,000円」です。

そして、6.5時間に変更した場合は下記のようになります。
1,000円×6.5時間×20日=130,000円
標準報酬月額の等級は「10等級 134,000円」です。

12等級と10等級なので、2等級の違いがあります。
でも、固定給である時給には変更がないから、随時改定には該当しないのでしょうか?
次回の年度更新時期が来るまで、社会保険料は給与が15万円程度だったときと同じ保険料を払い続けなければならないのでしょうか?

これは実は、「随時改定に該当し、月額変更届を提出する必要がある」のです。

このあたりの標準報酬の等級は、報酬額の範囲の幅が狭いので、少しの変更でも「2等級の変動」に該当してしまいます。

3ヶ月後に実際に支払われた給与を確認して、以前の等級と2等級以上の差があれば、月額変更届を提出しましょう。

この例では、勤務時間が減る、つまり、保険料が安くなるという例でしたが、逆に、勤務時間が増えて、時給に変更はないが、月の支給額が増えた場合も同じように月額変更届を提出して、保険料を高く変更しなければならないときもあります。

時給が変わらないので、つい月額変更届を忘れそうなケースですが、長期に休んだ場合の傷病手当金の金額だけでなく、将来の年金額に関わってくる部分なので、しっかり手続きをしておきましょう。