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the straw that broke the camel’s back

英語にこんな表現があるそうです。

つまり、重い荷物を背負えるらくだでも、どこかに限界があり、藁(わら。ふだん自分の書けない漢字は使わないようにしていますが、ひらがなだと意味がわかりにくいので、今回は漢字で)のようにごく軽いものでも、限界のラインを超えさせてしまうことがある、ってことですね。

らくだの背を折ったわら(英語のことわざ)

このことわざは、ストレスの性質をよく表しています。

ひとつひとつは、たいしことではないと思っていても、折り重なると、いつか限界を超えてしまいます。

ストレスが自分で処理できる限界を超える、ということは、つまり、なんらかの病気になってしまうということですね。心の病気だけでなく、胃潰瘍や過敏性腸症候群や高血圧などの、体の病気の可能性もあります。

いままでこのくらいのことは耐えられたのだから、今回もだいじょうぶ。もっと、たいへんなときもあった。

人はこのように考えがちですが、状況が過酷かどうかということよりも、総合的にどれだけストレスになるようなできごとがふりかかっているか、ということを考えたほうがよいでしょう。

そして、その「ストレスになるようなできごと」は、本人にとってつらいことばかりとも限りません。

結婚や栄転、家の新築など、「おめでとうございます」とまわりに祝福されるようなできごとも、大きな変化であれば、やはりストレスになるのです。

そういうプライベートな変化でストレスがかかっているところに、仕事で厳しい状況になると、「この程度のことで」と、本人も周りも思っているようなことが、「最後の1本の藁」になってしまう場合もあります。

職場の管理職は、長時間労働が続いていたり、仕事でミスをしてしまいしょげている部下を気遣うことはもちろんですが、結婚したり、引っ越したり、家族が増えたり減ったりするといったプライベートな変化も把握し、気にかけてあげてください。

仕事自体を減らすことはできなくても、「応援しているよ」「よくがんばっているね」という気持ちが伝わるような言動をとれば、本人には十分助けになるでしょう。

(きょうの写真は、奈良在住の友人が撮影した八重桜です。Thanks!)