Zoom で相談業務

当事務所では、ハラスメント外部相談窓口を多数お引き受けしています。お客様は全国にちらばっており、実際の相談はすべてオンラインです。

オンラインといっても、個人でパソコンを所有している方はそれほど多くなく、たいていスマホからご予約され、実際の面談もスマホを使って、ということになります。

電話、Line、Zoom の3つの方法が主ですが、やはり便利なのがZoom ですね。

相談者はビデオオフでもOK

Zoom といっても、ご相談される方は、たいていビデオオフのまま、こちらは画面に顔が写っているという状態です。できればこちらも相手の方の顔が見えたほうが話がしやすいですが、「どちらでもいいですよ」というと、ビデオオフを希望される方が大半です。

相談する方からは、相手の顔が見えているので話がしやすい、でも、自分の顔は見えなくてプライバシーも守られている。予約の際に連絡用のメールアドレスは必要ですが、Zoom の場合は、アカウント登録なしでも使うことができ、メルアド以外の情報は伝わらないので、なおさら気が楽ではないかと思います。やはり、安心して相談できる、気軽に相談できるということが大切なので、Zoom のこの機能は相談業務にとってなくてはならないものです。

さらに便利な画面共有

とはいっても、上の写真のようにビデオ通話的な画面でずっとお話するわけではありません。

この写真は、わたしのスマホで試しにやってみたものです。画面の大きさは5.5インチです。文字がはっきり見えますね。

実際は右下の黒い四角に、わたしの顔が小さく写っているのですが、ちょっと今回は別の画面になっています。

相談している時間の大半は、こんなふうに Word の画面を共有し、お話を聞きながら、わたしがカタカタと内容を入力し、ご相談者もその画面を見ながらお話されます。

電話でのご相談のときも、ヘッドセットをつけて、同じことをやっています。その場合、相手にはわたしがなにをやっているのか伝わっていないので、息もつかずにたくさんのお話をされる方が多いんですね。入力が追いつかず、「メモを取りながらお伺いしていますので、ちょっと待ってもらっていいですか?」と、途中でストップをかけることもちょくちょくあります。

しかし、相手にもこの画面が見えていると、こちらのペースに合わせて話すスピードを加減してくれる方がほとんどなので、かなり楽です。

入力はそうとう早い方ですし、あいづちをうちながら、しゃべっている言葉とは別の言葉を入力することもよくあるので、「器用ですね」と驚かれたりします。慣れると、そんなに難しいわけではありません。

自分の感情が「見える化」する

この方法の大きなメリットは、相談者の方にとって、自分がしゃべった言葉が文字になって目の前に出てくるので、頭の中が整理され、話しやすくなることです。

できるだけ、実際に相談者の方が話したことばをそのまま使うようにしていますが、キーワードだけをメモすることも多く、わたしが別の言葉を選ぶこともあります。最初にそのような説明をし「メモの文章が、自分の思っていることと違うと思ったら、すぐに言ってくださいね」とお伝えしてあります。

他人の言葉で要約されたキーワードが、自分の感じ方と合っているかどうか判断することが、自分自身の感情を掘り下げるのに役立ちます。

カウンセリングをするときに使う「感情の反映」という傾聴技法を、話し言葉ではなく、文章で行っているような感じです。

ハラスメント相談窓口では、どのような事実があったのかを中心にお伺いします。もちろん、そのときどのような気持ちになったのかもお尋ねするのですが、「そのとき、どんな気持ちでしたか?」という質問を直接するよりも、相談者の方の言葉をそのまま繰り返したり、パラフレーズする中から、感情があらわれてくることが多いのです。

自分で感じた感情は自分のものですが、はっきりした形をとらず、自分の中にわだかまっていることがよくあります。「つらい」という感覚が、なんだかもやもやして整理されていない状態では、そこにとらわれてなかなか前に進めません。

そんなとき、相談することで、事実を説明しながら自分のそのときの感情も見ていくと、気持ちも整理されていくのです。

窓口の担当者がいくら話を聞いても、ハラスメント事案がそれだけで解決するわけではありません。でも、相談のあと、「気持ちがすっきりした」「相談してよかった」と言っていただくことが多いのも、相談というものの、そのような性質からですね。

相談の最後には、 Word ファイルにメモしたものをいっしょに見ながら、「どこまでを会社に報告するか」を確認していきます。自分が言ったことが、本意とは違う形で会社に伝わる心配がない、これも、相談する方にとっては、安心材料のひとつです。

Zoom の画面共有機能には、こんなメリットもあります。

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