当事務所では、ハラスメント外部相談窓口を多数お引き受けしており、日常的に契約先の従業員様からご相談が入ってきます。
メールでのご相談という場合もありますが、ほとんどは Zoom またはお電話でのご相談です。

また、ハラスメント事案が発生した時、行為者ヒアリング、同僚のヒアリング等をご依頼いただくこともたびたびあります。

ご相談をお受けした後には、報告書がつきものです。

たいていはご相談いただいた方の許可をとって録音しており、その音声ファイルをもとに、報告書を作成します。
そのときになくてはならないのが、文字起こしソフトです。

そのような業務を始めた10年近く前は、相談を受けながらメモをとり(これはいまもやっています)、音声ファイルを聞きながらパソコンで入力して補完するという方法で、たいへん疲れる作業でした。
その後は、Google Document の音声入力機能を使って文字起こしをしようとしましたが、これはあまりうまくいかず悩みのタネでした。

いつごろから文字起こしソフトを使うようになったのか、あまりよくおぼえていないのですが、Notta のユーザー登録したのが2021年7月です。
これでぐっと楽になりました。

文字起こしといっても、人が話した内容をそのまま文章として見ると、順序が前後していたりして理解しにくいものです。
どのソフトも変換精度の高さを誇っていますが、残念ながらそのままでは使えません。
リライトが必要になります。
ですから、報告書のかなりの部分は手作業で入力しています。

しかし、文字起こしソフトの使い道はそこではないのです。

50分程度のご相談時間のうち、「この話をしていたのはどこだったかな?」というのは、以前はだいたいの見当で音声ファイルを再生してみて、前に行ったり後ろに行ったりして探していました。
文字起こしソフトでは、キーワード検索もできますし、ざっと目で見てもどのあたりかすぐに探すことができます。
そして、ピンポイントで、探していた発言部分を特定できるのです。
これが実に便利です。

ここから派生して、自分のセミナーの動画を編集するとき、カットしたい場面をすぐ探すことができるので、音声ファイルを文字起こしソフトに読み込ませ、それを見ながら作業しています。

また、講師として行った研修やセミナーを録音しておくと、後で内容をブラッシュアップするときに、かんたんにふりかえることができます。

議事録作成のときなど、この使い方は、超おすすめです。

さて、では、筆者が使っている文字起こしソフトを3つご紹介しましょう。

notta

自動文字起こしサービス | Notta

これは、プレミアム会員になり、有料で使っています。
月に120分まで無料で使えるので、それほど長い時間が必要ない方は無料でよいのではないかと思います。

機能としては十分ですが、後述の Clovanote に比べると、複数話者の認識が少し弱いような気がします。

CLOVA Note

CLOVA Note公式サイト

LINE が開発しているソフトで、ことし5月にサービスを開始したばかりです。
いまのところベータ版ということで、無料で使えます。

変換精度や機能は notta と遜色なく、LINEのおなじみのキャラクターが参加者ごとのアイコンとして出てきて楽しいです。

有料サービスが始まったら、notta の最大のライバルになりそうです。

Auto Memo

AutoMemo 文字起こしサービス【期間限定 無料で試せる】|AutoMemo(オートメモ)

本来は文字起こし機能がついたボイスレコーダー という製品ありきなのですが、製品を購入しなくても、付属機能の文字起こしがキャンペーン中で無料で使えます。

変換精度等も悪くはないのですが、最大の問題は、音声ファイルはブラウザからアップロードし、文字に変換したデータはスマホアプリからしか確認できないということです。

製品の購入を検討していてこの機能を見つけたのですが、無料ならまあいいかも、という程度ですね。

比較的安価、もしくは無料のものをご紹介しましたが、予算によっては、選択肢はいろいろです。
検索して、試してみて、あなたの業務に合うソフトを探してみてください。