日本産業カウンセラー協会 北関東支部様主催の「伝わる話し方~ロジカルシンキングとプレゼンテーション実践」が終了しました。
ご覧のように少人数で一日みっちりというセミナーで、参加者の方の満足度が高いのが、ちょっと自慢です。

「話し方」のセミナーというと、いまの自分の話し方に満足できず、もっとじょうずに、かっこよく人前で話したい、ということから参加して下さる方が多いようです。
人前で話す機会が増えてくると、そう思うのは当然で、そのような向上心を持ち続けるのが、上達の第一歩です。

話し方の気になるクセを直したければ、上の写真のように動画を撮って、それをチェックして自分の状況を把握し、直すように意識を向けて練習する、というのが、もっとも効果的です。

でも、そこにはちょっと落とし穴があります。

まず、話し方や動作のクセは、自分ではとても気になるのですが、聞いている側は実はそれほど気にならない場合が多いのです。
アナウンサーやタレントならともかく、一般の人の話については、パフォーマンスよりも内容に集中して聞くのがふつうです。
えー、や、あー、がちょっと多めでも、動作がぎこちなくても、そこは自動的に意識から消して聞いています。
「この人、緊張してるんだな」と気づいても、だからといって印象が悪くなるわけでもないし、話の内容の説得力が弱くなるわけでもありません。

つまり、そのクセ、それほど努力して直す必要がありますか?
話し方のクセを直すよりも、もっとやることがあるのでは? ということです。

もうひとつ、「直すように意識を向けて練習する」と書きましたが、本番のときにクセを意識して、やらないようにしよう、と思うのはやめたほうがいいです。

そこを意識すると、「自分がよいパフォーマンスをしたい」という気持ちが強くなりますよね。
そうすると、「失敗したら嫌だ、恥ずかしい」という方向にいってしまい、アガってしまう大きな原因になります。

本番のときには、練習の時のことはいったん横において、「この内容をどう伝えたら、聞いている人によく伝わるだろうか」というところに意識を向けて下さい。
意識のフォーカスするところは「自分」ではなく「聞いている人たち」です。

もちろん、気になるところは直したほうが、自分に自信が持て、堂々とした説得力のある話し方につながります。
その努力はたいせつなことです。

しかし「なんのために人前で話をしているのか」と考えたとき、「自分をすてきに見せるため」というのは、優先順位がかなり低いのがふつうですね。
もっと明確な目的が別にあるはずです。

そこを忘れないように取り組んでくださいね。