メンタルヘルスについてお話するとき、必ず強調するのが
「ココロとカラダは一体のもので、切り離せません。
気分がうつうつとしたり、怒りっぽかったり、ココロの調子が
悪いと思っているとき、実は、原因はカラダのほうにあったりします」
ということです。
うつ症状で受診したが、「生活リズムを見直しなさい」と言われて朝起きる時間を早め、朝のうちに外に出て、お日様の光に当たるようにしただけで、症状が軽快してくる、ということも実際にあります。
もともと人間に備わっている体内時計が狂ってしまうと、メンタルヘルスに大きな影響があります。
ですから、どんな相談を受けても、まず
「あなた自身の体調を整えて、問題に対処する気力を作るのが大事です。
それにはまず、しっかり睡眠をとってください」
という、判で押したような回答をすることになります。
そうは言っても、忙しかったり、いろいろな都合で思うように睡眠がとれないことはありますね。
なかなか眠れなかったり、むやみに早い時間に目が覚めてしまったり、睡眠障害と呼ばれる状況にある人も、実はたくさんいます。
そういうとき、昼間は眠くてぼんやりしてしまい、思うようなパフォーマンスが出せない、という状況になってしまいますね。
そんなときは、次善の策として、「ちょっと寝」をおすすめしています。
しっかり「お昼寝」するのではなく、職場や外出先で、ほんの20分程度睡眠をとるのです。
あまりたくさん寝るとだるくなってしまいますし、職場などでは現実的に無理でしょうから、15分から30分をめやすにしてください。
これが、けっこう有効なエネルギーチャージになるのです。
耳栓やアイマスク、帽子を目深にかぶる、などの工夫をして、視覚や聴覚の情報を遮断するようにしてください。
ひざかけや上着を使って、暖かくすることもお忘れなく。
いろいろ考えてしまって眠れない、というときも、5分か10分でもいいですから、そうやって目をつぶって、静かな環境に自分を置くとカラダもココロも休まります。
寝すぎてしまうのが心配だ、という場合は、スマホや携帯のアラーム機能をバイブレーションにして使うといいでしょう。
だれにも気付かれずに目をさますことができます。
職場での「ちょっと寝」用に、デスクにうつぶせて使う枕が売っていたりします。
そういうグッズを利用するのもいいですね。
シエスタというわけにはいきませんが、「ちょっと寝」の工夫で残業や、気疲れする状況をのりきってください。
もちろん、少しでも余裕ができたら、早く帰って、ゆっくりお風呂にはいり、ストレッチをして、快適なふとんでたっぷり眠るようにしてくださいね。