新型コロナウイルスの影響で、すでに休業に入っている事業所様。
こんな悩みがあります。
「最低限の業務のために、交代で従業員を出社させています。でも、仕事がなくて、出社してもやることがない状態です」
会社に来ても、ひとりでぼーっとしていて、電話番以外やることがない。
これはつらいですね。
解決のために、こんな方法はいかがでしょうか。
モノの整理整頓の前にコト(仕事)の整理整頓を
まず思いつくことは、事務所の整理整頓ですね。
仕事をスムースに進めるために、そして労災防止のために、必要なことです。
整理整頓のためにまず必要なことはなんでしょうか。
それは、いらないものを捨てることです。
とはいっても、これは捨ててもいいモノなのか、従業員さんだけでは判断できないことも多いはずです。
管理職や場合によっては社長の決済も必要でしょう。
この場合、物理的にモノを整理整頓する前に、仕事というコトを整理整頓することが必要です。
目の前にあるモノと違って、仕事(コト)は目に見えませんので、見える化から始めます。
そう、各人が担っている業務を書き出していくのです。
現状の把握、すなわち業務の棚卸しですね。
仕事を改善しようとする場合、業務の棚卸しがすべての基礎になります。
いらない業務を捨てる、というのもそのひとつです。
テレワークをしようと思っても、どの業務がテレワークに向いているのか、紙ベースの仕事をパソコン上で行うことはできないか、という判断も、現状の業務の把握あってこそです。
各人に対して、業務量や業務の質が適当か、というのも、棚卸ししてみないと実はわかりません。
棚卸しから業務マニュアルの作成に進めば、だれかが急に休んでも対応でき、休みをとりやすくなります。
「自分のやっている業務をできるだけ詳細に書き出すこと」
これを従業員さんに指示してください。
業務の棚卸しを個人単位からチーム(課)単位に広げる
ただ、倉庫のものを数える棚卸しと違って、業務の棚卸しは初めてやる従業員さんも多いでしょう。
まかせっぱなしにせず、できるだけ早い段階で、チームや課の単位ですりあわせをしましょう。
とはいっても、そのために、全員が出社するわけにはいきません。
ではどうするかというと、こういうときにはオンラインです。
チャットワーク等の Web サービスを利用して、各人が作成した「棚卸し表」を共有する。
それを見ながら、管理職や先輩が、文章で指示したりアドバイスすることができます。
口頭の打合せが必要であれば、Zoom や Google meets 等の Web 会議システムを利用する。
20分~30分の短い時間の打合せであれば、家庭に Wi-fi 機器がない従業員さんでもスマホから参加できます。
従業員が不安にならないように説明する
ここでひとつ必要なことがあります。
「あなたを解雇するために引継ぎ資料の作成を指示しているのではない」と、従業員にはっきり説明しておくことです。
会社が休業し、家で待機しているとどうなるでしょうか。
やることがなく、不安。
三食つくって、家族の世話をしなければならず、疲れてしまう。
子供も学校に行けず、自宅で騒いでいていらいら。
こんな中で、従業員さんたちの心理状態はかなり悪化しています。
「うちの会社はだいじょうぶなのか?」
「ひょっとして自分はクビになるのではないのか?」
こんな疑心暗鬼にかられていることも、十分考えられます。
ですから「これは引継ぎではなく、コロナ後に業務を改善するための布石だ」ということを、きちんと伝えておきましょう。
雇用調整助成金の短時間休業を利用する
また、このような場合、仕事ですから給与の支給が必要になります。
出社しないで行う棚卸し表の作成の場合は、だいたいの時間を見積もり、従業員さんにその時間内にやるように指示して、その時間分の給与を払う。
打合せの場合も、その時間分の給与を払う。
個人用のスマホ等を使った場合、会社負担で手当を出すことも必要になります。
1日1時間や2時間働かせて、ほかの時間は休業という場合も、雇用調整助成金の短時間休業の制度が使えます。
短時間休業というと、1時間や2時間の休業、つまり時短を思い浮かべる方が多いようですが、逆に1時間や2時間だけ働かせて、6時間7時間の休業というのも、対象になります。
今回の特例措置で、短時間休業は、全社いっせいでなくても、部門ごと、店舗などの施設ごとの休業も適用になります。
これを利用して、部門ごとに打合せや自宅での作業を支持するとよいでしょう。
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