仕事に感情を持ち込むのはあり?
仕事には感情を持ち込んではいけない、と思っている方は多いようです。
確かに、「チームを組んだあの人が気に入らないから、この仕事はできません」なんてことをいう人がいれば、「仕事に感情を持ち込むな」とも言いたくなるでしょう。
また、お客様に理不尽な要求をされ、お腹の中は煮えくりかえっているのに顔はニコニコ、「申し訳ございません」と何度も頭を下げる。
日々そんなお仕事の中で、自分の感情を表に出さないことに慣れている方もいるでしょう。
いっそ感情などないほうがどんなにラクか、と思うこともありますよね。
でも、人間は残念ながらロボットにはなれません。
仕事だからといって、感情をないことにはできません。
自分の感情とうまくつきあっていくしかないのです。
自分の感情は自分でわかるのか
感情とうまくつきあうためには、まず自分自身、ほんとうになにを感じているのか、どういう気持ちでいるのか、そこに気づく必要があります。
と言うと、自分の気持なんて自分でわかっているよ、という答が返ってきます。
ほんとうにそうでしょうか?
「ここでは、どんなマイナスな感情も、たとえ不道徳なものであってもすべて受け入れます。どうぞ、あなたの気持ちを話して下さい」と言っても、すぐに自分の気持が言える人は、実はあまり多くありません。
感情を出さない訓練をずっと続けていると、感情は心の奥の方に入ってしまって目に見えるところに出てこなくなります。
そんなことがずっと続くと、表現されない感情は持ち主に復讐を始めます。
なぜか、いつも気分がモヤモヤイライラする。
風邪でもないのに、いつも頭が痛い。
会社に行こうとするとお腹が下ってしまう。
あとのふたつは、「心因性」と言われる症状ですね。
身体的な症状が出てくる前に、自分の感情を少しずつ出すコツを覚えましょう。
I message で考えるクセをつけよう
そのための一つの方法として、主語を「わたし」にして考えるというやり方があります。
「わたし=I」なので、”I message” という言い方をすることもあります。
例をいくつかあげてみましょう。
「どうしよう」
→「(わたしは、)どうしたらよいか迷っている」
「あの人がにらむからコワイ」
→「(わたしは、)あの人の顔を見たら、こちらをじっと見ているので、にらまれたと思って、コワくなった」
「ぐずぐずするな」
→「(わたしは、)あなたの動きが遅く感じられるので、急いでほしい」
「わかってくれない」
→「(わたしは、)自分の気持を理解してほしいと思っているが、あなたにうまく伝わっていない」
「一体、なにをやっているんだ」
→「(わたしは、)あなたに期待していることがあるのに、あなたがそれに応えていないと感じて、腹が立っている」
どんな感じかおわかりになったでしょうか?
「わたしは」という部分にかっこをつけました。
主語がないほうが日本語としては自然なので、だれでも、そのように考えるクセがついていますが、ここは練習のために、一度「わたしは」をつけて考えてみてください。
「わたしは」という主語をつけると、ほんとうははっきりしないことを決めつけていたり、自分の都合を相手に押し付けていたりすることに気づくこともあるかもしれません。
わたしの人生の主人公は「わたし」です。
自分の気持をあらわすときは、主語も「わたし」でいきましょう。