残業削減と顧客の要望の両立

メンタルサポートろうむの営業時間は、通常、平日9時から5時までです。

時間外にいただいたお電話には出ませんし、メールも翌朝お返事するようにしています。

個人で営業していると、いくらでも仕事ができてしまいますし、過去にはお客様から連絡があれば、土日でも、夜でも対応していました。

しかし、働き方改革が言われるようになり、各地の商工会議所等で「残業削減はこうしましょう」というテーマで講演するようになると、さすがに足元の自分の働き方がこれでは・・・と考えるようになりました。

そして、上に書いたように「時間外の対応はしません」というところに落ち着いたわけです。

昼間働いて、夜はくつろぎや趣味、勉強の時間です。長く元気に働き続けるには、必要な変化だったと思っています。

残業がなかなか削減できないひとつの要因は「顧客の要望」です。定時以降や休日に対応を求められると、弱い立場の中小企業は応えざるを得ません。

また、長年そんなふうにやってきて、もう当たり前になっているかもしれません。

定時以降には電話にも出ないなんて! お客様第一なのだから、それではだめじゃないか! 第一、仕事をとりこぼしたらどうする! と、思うかもしれません。

それを続けていると、仕事はとりこぼさないかもしれません。

一方で、従業員の不満がたまったり、長時間労働に疲弊してやめていったりしないでしょうか。新しい人を募集しようにも「うちは残業けっこうあるよ~」と面接で言ったりしたら、それだけで辞退されそうです。

高給を追求するより休みが多いところ、という希望の求職者はどんどん増えています。若い層ほどそういう傾向が高いのです。中小企業では高給は難しい場合が多いので、残業の少なさで勝負しないと、採用が厳しくなってきます。

お客様もだいじですが、従業員もだいじ。従業員をだいじにすると、モチベーション高く仕事に取り組んでくれるし、みなさん健康に長く働いてくれ、業績にも好影響があります。

ということで、「時間外の対応はしません」とお客様に文書等で通知してしまいましょう。もちろん、従業員にも徹底します。

翌日の対応で間にあわないことなど、何年に1度あるかないかです。

そして、当事務所では、「予約さえあれば」朝7時から夜10時まで対応しています。

これは個人だからできることですし、ハラスメント外部相談窓口業務では、働いている人が対象なので、時間外や土日に相談したい需要があるからです。

従業員のために時間外の対応はなくし、お客様の要望にはほかの形でお応えする。会社ごとにやり方があるはずです。

工夫もしないで、「うちでは無理~!」と言っているだけでは、従業員がまず離れていき、いい従業員がいなければ、結局顧客も離れていくでしょう。