総務省からテレワークについて、なかなか使えそうな資料が出てきました。
中小企業等担当者向けテレワークセキュリティの手引き(チェックリスト)
このパンフレットの対象者はこちら。
どうでしょう。
多くの中小企業に見合ったレベルではないでしょうか。
逆に言うと、このレベルに達していなければ、テレワークを行うのが難しい、行う場合は業者丸投げになってしまいそうです。
とくに都市部では、いままでテレワークはまったく考えていなかった中小企業も、コロナ禍のために実行せざるを得なくなり、行政もその層を無視することができないという感じですね。
しかし、地方では、コロナウイルスの影響は限定的です。
基本車通勤ですし、マスク、手洗い、人の集まる場所を避けるという基本的な注意で、それほど心配せずに暮らしていけます。
そうなると、いやいやながらでもテレワークに取り組んでいる都市部の企業との差は、ますます開いてしまいます。
その差が最も端的に出る場所はどこか。
そう、人材定着・確保です。
厚生労働省「平成26年度テレワークモデル実証事業」(企業アンケート)では、「テレワーク実施によって得られた/得られつつある成果(事業運営面)」の第一が「人材の確保・育成」です。
また、同じ調査で「テレワーク実施によって得られた/得られつつある成果(雇用面)」を聞いたところ、1位が「家庭で育児を担う人材の離職抑制、就労継続支援」、そして5位に「家庭で介護を担う人材の離職抑制、就労継続支援」、さらに7位に「採用活動における企業ブランド・企業イメージの向上」が入っています。
人材の離職抑制・就労継続支援についてまとめたのが、下の画像です。
中小企業では、、「障碍や持病がなく、家事育児介護の責任がない日本人男性」という、いわゆる「24時間働ける」層の採用はますます困難になりつつあります。
しかし、上に挙げた条件をひとつでもはずすと、実は安定した職を探している人材に出会うことができます。
そのための決め手がテレワークだというわけです。
「テレワークなんてうちには関係ない」と考えている事業所様が多いのはよくわかっていますが、いまいる従業員の離職防止、新規人材確保が関係ない事業所はどこにもないでしょう。
もちろん、工場・店舗などテレワークになじまない業種、職種もたくさんありますが、会社全部が、そして業務全部ができない会社も、逆に少ないのではないでしょうか。
テレワーク導入のコツは、「一部の人から」「一部の業務から」、小さく始めるということです。
たまたま育児中、介護中、持病がある、という従業員がいれば、その人たちから。
そして、たとえば、営業担当がいったん社に帰ってから日報作成しているようであれば、出先からスマホやタブレットで作成して会社に送信できるようにする、というひとつの業務から。
ひとつひとつ積み上げていくことで、会社全体の風土も「個人生活より仕事が最優先」から「ひとりひとりの事情も仕事と同じくらいたいせつ」と変わっていきます。
そのような風土こそが、従業員の定着・新規採用への最大の武器になるのです。
小さいところからテレワーク、考えてみませんか。