10月1日から栃木県の最低賃金が改定され、882円になります。
9月30日までは854円です。切りのいいところで、アルバイトやパートさんの時給を860円にしているという事業所さんもあることでしょう。この場合、10月からは、最低賃金を下回らないよう、22円以上昇給しなくてはなりません。
「うちに来てるアルバイトは、みんな高校生だから、最低賃金は関係ないよ」という話をときどき聞きますが、これは半分正しく、半分間違っています。
最低賃金には、2種類あります。
ひとつは、最初にお知らせした、「地域別最低賃金」。
各都道府県にひとつずつ定められています。
これは、高校生(18歳未満)であろうと、高齢者(65歳以上)であろうと、障害者であろうと、すべて適用になります。ですから、10月からは882円に満たない時給は、すべて最低賃金法違反になってしまいます。
そして、もうひとつの最低賃金は、「特定(産業別)最低賃金」。
これは、各県別に内容が異なっています。
これは、それぞれの地域で、ほかの産業よりも高い給与が必要と認められたものが該当します。
地域別最低賃金より、ぐっと高くなっています。
栃木県ですと、塗料製造業が965円、各種商品小売業が874円です。
「特定(産業別)最低賃金」については、18歳未満と65歳上は適用されません。
最初の「高校生は最低賃金関係ない」という発言は、このような事業の場合は正しいということです。
また、「雇い入れて3ヶ月未満で技能習得中」であったり、ほかにも雑用が主な仕事である人は、適用されません。
これは、それぞれの産業別に細かく決まっているので、ご自分の会社がそのような産業の場合は、チェックをしておく必要があります。
そして、障害がある人については、地域別最低賃金も、特定(産業別)最低賃金も、どちらもあてはまります。
単純に障害があるから適用除外ではなく、障害の程度や内容によって、その仕事に支障がある場合だけ、各地域の労働局の許可をとって最低賃金を減額することができます。
この手続をしない場合、または手続きをしても許可がおりなかった場合は、通常通り、最低賃金以上のお給料を支払う必要があります。
また、最低賃金を計算するときは、1時間あたりの賃金を出すのですが、そのとき、下に書いた手当等は除外しなければなりません。
最低賃金の対象とならない賃金
- 臨時に支払われる賃金(結婚手当など)
- 1箇月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)
- 所定労働時間を超える時間の労働に対して支払われる賃金(時間外割増賃金など)
- 所定労働日以外の労働に対して支払われる賃金(休日割増賃金など)
- 午後10時から午前5時までの間の労働に対して支払われる賃金のうち、通常の労働時間の賃金の計算額を超える部分(深夜割増賃金など)
- 精皆勤手当、通勤手当及び家族手当
最低賃金についてくわしく知りたい場合、下記サイトをチェックしてみましょう。