「再建請負人」と言われる、平松庚三さんのインタビューです。
「創業」「社長」ということで語られていますが、一般の管理職にもいろいろ参考になる点がありそうです。
わたしがいいな、と思ったのはこの言葉。
必要なときに自分に対して「ノー」といえる人の存在は大切です。社長になると、自分を止めてくれる人はあまりいませんから。
直属の部下を自分で選ぶことができるようであれば、自分に対して「ノー」といえる人がいい。言葉で言うのは簡単ですが、部下からの批判をきちんと受け止められる人は、ほんとうの意味でおとななんだろうな、と思います。
いわゆるイエスマンをだいじに扱い、自分への反対意見をどんどんいう部下に対して「うるさい」「めんどくさい」と思いがちなのが人の常です。「ノー」と言える人が身近にいてよかった、と思えるようであれば、平松氏と同じく成熟した上司であるといえるでしょう。
「ノー」と言われたとしても、それをそのまま受け入れるかどうかは、自分で判断すべきことです。自分とは違う視点を提供してもらった、と思えば、ありがたいことですよね。
もうひとつ、「ノー」と言える人を身近に置くためには、自分自身が「ノー」と言われたときに、とっさに反発するのではなく、まずは「そういう見方もあるんだな」と受け止めて、その後に内容について考える、という態度を身につけている必要があります。せっかくそういう部下を選んでも、または、そういう部下が身近にいても、反対意見を言うたびに上司がむっとしてしまうのでは、だんだん失望してなにも言わなくなってしまうでしょう。
自分の意見はわきにおいておいて、とりあえず受け止める。これは、傾聴の基本です。
だからといって、自分の意見をなくしてしまうわけではありません。話を聞いたその瞬間だけ、反射的に「そうなのか」「なるほど」と言って感情的にならない、というだけのことです。反論すべきところがあれば、その後ゆっくり反論すればいいのです。
もうひとつ、単純なようで重要なことだと思えるのがこの点です。
辛いときはネアカのふりをすること。ネアカのふりをして、周りと自分もだますと良いです。そうすると、いつのまにか自分も明るくなってきますから。
創業時に人材を集める3つの掟 | 創業手帳Web – Part 3
批判をオープンマインドで受けとめること、そして演技でもよいから、いつも明るい顔をしていること。これは連動した心構えですよね。
社長もたいへんだ、と思うかもしれませんが、このふたつの態度が身についてくれば、自分自身がラクになってきます。そして、部下からの信頼も付いてくるという、一石二鳥ですね。