ビジネスパーソンであれば、メールを読んだり書いたりしない日はないと言っていいほど、メールはコミュニケーションに欠かせないツールです。
だれもが毎日やりとりしているからこそ、メール対応がスムースかどうかで、相手に与える印象も大きく違ってきます。
「今後もこの人と仕事上つきあいたい」と思ってもらえるかどうかは、メール対応にかかっていると言っても過言ではありません。

そのような大切なメール対応ですが、ちょっとしたルールを決めることで、自分も相手も快適にやりとりができます。

今回は、ビジネスでメールを使う方に向けて、効果的なメール対応のための3つの原則と、重要なメールを見落とさないための1つの工夫をご紹介します。

1.相手を迷わせない

メールを送る際は、受信者が読んだ後にどのような行動を取ればいいのかを、明確に示しましょう。

「なにかいろいろ書いてあるけど、で? なにをどうしたらいいの?」と相手に思わせてしまったらアウトです。
相手はあなたの能力についての疑問を感じ、信頼感をなくしてしまいます。

そのようなことにならないために、内容を整理してからメールを作成しましょう。
下記3項目に分けてみると、文章がすっきりします。

  • 現在どのような状況か(互いに確認できていること)
  • こちら(送信者)が行うことはなにか、またいつまでに行うのか
  • 相手(受信者)になにをしてもらいたいのか、またいつまでにしてもらいたいのか

例えば、「今週中に企画書を提出してください」や「◯◯の件について、返答をください」など、具体的な指示を盛り込むことが大切です。

指示といっても、相手がお客様の場合は、ことばとしては「お願い」という形になります。
「◯◯していただけますでしょうか」
「◯◯のようにお願いいたします」
「◯◯について、△日までにご連絡いただけますと幸いです」

「相手を迷わせない」ことを、まず考えて文面を作成しましょう。

2.相手を不安にさせない

メールの最大の欠点は、受信したのかどうか、読んだのかどうか、内容について相手が了解したのかどうか、返信しない限り伝わらないことです。
そのような欠点を克服し、相手に不安を感じさせないためには、メールをもらったら、まずなるべく早く返信しましょう。

たとえば、相手からのメールが「◯日までに□□を作成して提出してください」という内容だった場合、「◯日に提出物を添えて返信すればいい」というのでは、◯日が来るまで、ほんとうに内容が伝わっているのか、相手はわからないままです。
たとえ◯日というのが、1日か2日程度の短い日数だったとしても、「承知しました」や「確認しました」などの簡単な返信を送ることをおすすめします。

たとえ詳細な返答ができない場合でも、確実にメールが届いている、内容を了解していることを伝えることで、「この人とはスムースにコミュニケーションが取れる」という信頼感につながります。

また、相手から「いつまでに」という指示がない場合でも、自分から「◯◯日までにお送りします」と日程を決めておきましょう。

3.長時間労働をしない、させない

仕事のメールは基本的に勤務時間内に返信するようにしましょう。

前項で「なるべく早く返信」と書きましたが、どんな時間だろうとその原則が適用されるわけではありません。
終業時間後にメールが届いた場合は、翌日の朝に返信するのがベストです。

相手が残業中で遅い時間にメールが来たからといって、すぐにそのメールに返信してしまうと、あなたが時間外労働をしてしまうだけではなく、相手もまたあなたからのメールに対応することで、さらに長時間勤務になってしまうことがあります。

自分だけでなく、相手のためにも、このルールを守ることで、ワークライフバランスを保ちながら、効率的に業務を進められます。

「どんな時間だろうとすぐにレスポンスを求める」上司については、会社の相談窓口に相談するべきです。
そのような上司を放置しておくと、あなたが困るだけではなく、会社としても未払い残業の問題や、社員の健康を損ねるというリスクを抱えることになってしまいます。

また、客先がそのような対応を求めてきた場合は、早めに上司に相談しましょう。
そのときに「どんな時間だろうとお客様第一だから返答せよ」という返事だったとすると、やはり会社に報告する必要があります。

Tips ー見落とし防止の工夫

毎日たくさんのメールが来ると、ちゃんと見ているつもりでも、うっかり見落としてしまうことがあります。
その見落としが、お客様からの依頼メールだったりしたらたいへん!

ということで、見落としを防ぐためのひとつの方法として、Evernote 等のメモ管理アプリに自動的に転送することを試してみてはいかがでしょうか。

Evernote、Onenote、Microsoft teams、Slack、Notion 等は、専用のメールアドレスに送信すると、内容が自動的に保存される機能があります。

たとえば筆者の場合、次のメールはすべて自動転送にしてあるので、受信箱がごちゃごちゃしていてもメールを見失うことなく、必要な情報が一か所にまとめられるので、いつでも確認できます。

  • 自社Web サイトからの問合せメール
  • 自社で使用している予約システムからのメール
  • 電話受信代行業者からのメール
  • ご依頼があったお客様からのメール(メールアドレス指定ではなく、ドメイン指定)

専用のメールアドレスの確認方法は、各Webサービスのヘルプをご確認ください。

また、メール転送の方法は、Gmail であれば、次の記事が参考になります。

メールのフィルタルールの作成 – Gmail ヘルプ

以上、メール対応の3つの原則と、重要なメールを見落とさないための1つの工夫をご紹介しました。

これらを意識してメールを送ることで、あなたのビジネスコミュニケーションはさらに円滑になり、相手との信頼感が増すことでしょう。