晴れて会社を退職し、新規事業を起こした。
いままで、勤める傍ら、副業としてやっていたことに、本腰を入れることにした。
定年退職したが、前職の関係で、ちょくちょく仕事を頼まれる。
こんな話を聞くことが増えてきました。
そして、そのような方たちに共通する悩みがあります。
その悩みとは…
時間管理がうまくいかない、ということです。
- 家族との時間を大切にしようと思ったのに、目先の仕事に追われて多忙なため、家族をがっかりさせている。
- 健康管理のためにジムに行こうと思ったが、つい「また今度」になってしまい、ずるずると行けずじまいだ。
- 勉強したいことがたくさんあり、いつも時間が足りない。
- だれにも監督されないので、仕事をつい先延ばしにしてしまい、締切間際は徹夜している。
こんな声をよく聞きます。
みなさんたいへん忙しく、1日24時間では足りない! という方が多いようです。
なかには、長時間労働にうんざりして退職したのに、フリーになっても、結局毎日夜遅くまで働いている、という方もいらっしゃいます。
そんな方たちのご参考になるかと思い、ひとり事務所で20年以上働いているわたしの優先順位をお伝えします。
とくに、中高年の方のご参考になりそうです。
優先順位
まず、時間を使うすべての物事についての優先順位を決めましょう。
わたくしの場合は、次のようなものです。
1.自分のための時間
ここには次のようなものが含まれます。
- 映画を見たり、ライブに行ったり、仕事とは関係のない習い事に行ったり等の遊ぶ時間。
- 運動や整体、鍼灸院、健康診断等の健康を維持するための時間。
- なにもせずに家にいてだらだらする休む時間、睡眠時間。
これはわたしの場合ですが、一人暮らしの方は、料理・洗濯・掃除等の家事もここに入ってきますね。
え? それが第一ですか? 働かなきゃ食べていけないんだから、当然仕事でしょ? と思われるかもしれませんね。
自分のための時間を最初に持ってくるのは、これが一番か弱く、しっかり保護してあげないとすぐに消えてしまう時間だからです。
いつでも遊ぶというわけではなく、まずは、自分のための時間をあらかじめ予定に入れます。
「暇ができたら…」なんて思っていては、いつまでたっても自分のための時間はできません。
まず予定に入れること、そして、後から仕事や家族からのリクエストがあっても、この時間はもう使えない時間だと思って死守することです。
これがないと、仕事自体も長続きしません。
とくに睡眠時間は7時間程度の目標を決めて、それを下回らないために工夫しましょう。
そうしないと、病気や事故につながったり、仕事自体もミス連発で信用を失ったりすることになります。
2.大切な人のための時間
次にしっかり保護しなければならないのは、これです。
- (家族といっしょに住んでいる場合)家事・育児をする、家族といっしょに食事をする。
- 遠方に住んでいる親に会いにいく。
- 友人と会っておしゃべりする。
とくに「家族のための時間」は、「自分のための時間」とどちらを優先するかの綱引きになることも多いでしょう。
「自分のための時間」との優先順位に迷ったら、こんなふうに考えてみましょう。
1年後、3年後、10年後、場合によっては死が二人を分かつまで、この人たちと良好な関係を築くにはどうしたらいいだろうか?
こう書くと、自分の時間よりも「大切な人のための時間」が優先のような気がしますが、まず、自分自身を大切にしないと、やはりいい関係は長続きしません。
微妙なバランスですが、葛藤が起こるたびに真剣に考える姿勢は、相手にも伝わります。
また、いままで「大切な人」よりも「仕事」や「自分」を優先にしていた人は、「大切な人」のための時間を優先にしてみましょう。
逆に「大切な人」、とくに「家族」を優先にしていた人は、「自分」や「仕事」を優先にしてみましょう。
自分が立っているところの軸足を少し移すだけで、いままでとは違う景色が見えますよ。
3.勉強のための時間
いまどき、同じことをずっとやっていて商売になるなんてことはないので、フリーランスとしてやっていく場合は、常に自分をブラッシュアップすることが必要です。
当然、勉強を続けなくてはいけません。
わたくしの場合は、本を読む、セミナーを受講する等が入ってきます。
勉強の時間は、自分のための時間のようですが、広い意味で「仕事」と考えて、全体のバランスをとってみましょう。
これでは勉強する時間が足りなくなる、と思うかもしれませんが、お勤めのころはどうしていたでしょうか。
少ない余暇時間から、なんとか勉強する時間を捻出し、短時間でできるように、あれこれ工夫していたのではないでしょうか。
そして、勉強のための時間も、仕事に追いやられないために、あらかじめ確保しておくことが大切です。
4.仕事の時間
これはもう、優先順位なんて考えることはなく、いやおうなく入ってきます。
だからこそ、他の時間をまず確保し、確保したら死守することが必要なんですね。
すでに60代に入り、仕事の時間の優先順位はますます下がってきています。
とはいっても、これは、仕事を手抜きすることとは違います。
質を確保しながらも、長時間働かないためには、工夫が必要です。
新しいツール類に敏感になる等、アンテナを高く張り、情報をうまく使いましょう。