昨日の引用ツイートが、多くの人に読まれています。
この記事を書いている7月9日現在で表示数は5万、しかも増え続けています。

引用した元のツイートのほうは、表示数が4400万というすごい数になっています。
コメントや引用ツイートはほとんどが批判的な内容で、炎上ですね。

批判されているネット記事は下記です。

【ガチゆえに】タリーズの店員さんに「自腹で飲むくらいオススメのドリンク」を聞いたらスタバと対応が違い過ぎて心が折れた | ロケットニュース24

これを書いた方はライターで取材だったのですが、アポなしで取材ということも明かしておらず、下のような行動をしたことが、問題視されています。

で、対応してくれた店員さんはどちらも20代と思われるレジ係の女性店員さんと、ドリンクを作る係の女性店員さんの2名。奇しくもスタバと同じ構成である。またラッキーなことに、この時お客さんはまさかの0人。私は「絶好のチャンスキタ!」と張り切って「店員さんがご自身でよく飲んでるドリンクを3つ下さい」とお願いした。

……が、レジ係の店員さんはかなり若かったためか、ややオロオロしてしまっている。

わたしは、この行動に対して「カスタマーハラスメント」と書きましたが、正確にいうと、対応した店員さんがどのように感じたのかはわかりませんので、これだけではハラスメントとは言い切れません。

しかし、この記事を読んだ多数の人が、次のようなコメントをつけています。

  • わざわざ他にお客さんのいないときに、中年男性が若い女性店員に個人的な好みを聞くのは、気味悪がられて当然。迷惑客だ。
  • カフェ等での店員の経験のある方からは、中高年男性の困った客についての体験談。
  • タリーズの店員さんの相手にしない対応が正解。

全部のコメントや引用ツイートを見たわけではありませんが、意外だったのは、「タリーズの店員さんもスタバの店員さんのように相手のリクエストに応えるべきだった」という内容がほとんどなかったことです。

これについては、わたしの意見にコメントくださった方もこのように述べていて、まったく同感です。

そう、以前なら、セクハラはうまくかわすのが飲食業の店員として当然、という意見が大勢を占めたのではないでしょうか。

カフェの店員の仕事は、注文をとって商品を提供することです。
その中で、客と多少のコミュニケーションは発生するかもしれませんが、個人的なことを聞かれたり、必要以上に会話を求められるのは「店員と客」という立場の違いを利用した迷惑行為だ、という認識が、おおぜいの人に共有されているのです。

この変化はほんとうにすごいと思います。

それまで、多くの人が理不尽だと思っていたが、「仕事とはそんなもの」というあきらめの中にいたことが、カスタマーハラスメントという名前がつくことによって、はっきりとやってはいけない行為として認識されているのです。

「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」等を作成しました!

上のリンクのように、厚労省でも昨年2月に「カスタマーハラスメント企業対策マニュアル」を発表し、会社への対応を呼びかけています。

とくに飲食業では、もともと人手不足だったところに、コロナ禍でさらに求人に打撃を受けています。
ハラスメントで、いまいる従業員を失うわけにはいかないのです。

とはいっても、この記事に書かれている内容であれば、「この程度のことで」という意見はやはりあるでしょう。
とくに、この記事の筆者を始めとした中高年男性は、「若い女性に不必要なコミュニケーションを求める(=「ご接待」を求める)ことで、相手を精神的に圧迫している」という認識に乏しいことが多く、迷惑行為を行っている自覚がありません。

迷惑客だけでなく、職場の上司がそのように考えていると、従業員はカスタマーハラスメントに対応してくれない会社に不信感を持ち、離職につながってしまいます。

「お客様は神様」という従来の考え方で、従業員に我慢を強いていると、いずれ人手不足で営業さえできなくなることも考えられます。

迷惑客が来ることを止めるのは不可能ですが、会社としてどのように対応するのか、日頃から準備をし、従業員にも対応方法を教育しておく必要があります。

カスタマーハラスメントをめぐる社会の潮目が変わってきていることを感じて行動する会社こそ、働く人から選ばれるでしょう。

とはいっても、どうしたらいいのかわからない、という場合は、専門家のサポートが必要です。
ぜひ早めにご相談ください