ユニクロはホントにブラック企業?学生バイトが赤裸々に語るその実態とは
最近話題になった記事ですが、公開されたのは、昨年の6月です。
自分で店を持っていたとしたら、今ブラックと呼ばれているような働き方で自分が働くなんてことは当たり前なわけじゃないですか。誰かが助けてくれるわけでもないし。会社員であるっていうことは、5時に帰れますよ、というのを選んでいるというわけではないと思うので、そういうブラックブラック言うような風潮って、贅沢だと思うんです。人が建てた会社で働かせてもらっといて、帰りたいんですけどっていうのはおかしいんじゃないかと。時間で終わらせて帰りましょうなんていうのは甘ちゃん過ぎるよ、と思うんです。
ユニクロでバイトしたことのある学生たちによる座談会形式の記事で、これはその出席者のひとりの発言です。なかなかうまく「教育」されたもんだ、という感じがしますが、このすぐ後にこんなオチがつきます。
僕はそう思っているからこそ、会社に勤めたいとは基本的に全然思わないですね(笑)
しかし、最初に引用した発言を見て、「そうそう!」と大きくうなづいた中高年の方々も多いことでしょう。若いのになかなかよくわかってるじゃないか。うちの会社の新人たちがみんなこんなふうだったらいいのに・・・
「働かせてもらってる」「残業は当然」、こういう考え方は、日本では長いこと「おとな」の考え方でした。
「働いた分給料をもらう」という考えは、「甘ちゃん」だ。現実はもっと厳しい。未熟な学生時代とは違い、そのように会社本位に考えるのが社会人というもの。さらに、優秀な社員は経営者目線で考えるものだ・・・云々。
自営業ならば、自己責任でいくら働いても問題ありません。自分で裁量できる仕事であれば、長時間きつい仕事をしても、それほどメンタルにも影響がないし、若いうちは体力もあるので、ばりばり働けるものです。そして、なにより、働いただけのものは、自分に返ってきます。
アメリカでも、エリート層はワーカホリックだと聞きます。それも、働いたら働いただけ昇進し、給与もあがるという前提があるからでしょう。
先日書いた会社の飲み会はあまり好ましくない、という記事も、自分から関係者とお酒の席で情報交換をして人間関係を深めたり、パワーランチで人脈を広げたり、という形で努力している人には、あまり関係のない話です。
しかしこれは、働いたらそれだけ会社が報いてくれる、という前提でのもので、いくら長時間働いてもサービス残業、パワハラでメンタル不調になれば退職に追い込まれる、という状況の前では、通用しない話です。
いままでは素直に職場の先輩のいう「おとなの論理」に従っていた若い人たちも、だんだんそこに気づきつつあります。
ブラック企業問題が広まるにつれ、若者の間では就職先を選ぶ際に企業の評判を気にする割合いが年々、高まっている。
日本生命保険が昨年7月、民間企業や官公庁に勤務、内定している20代の若者1043人にアンケートしたところ、職場の労働環境や早期退職率が高くないかなど企業の評判について、「気になった」と答えた内定者は29・4%、「少し気になった」が47・1%で、「あまり気にならなかった」「気にならなかった」の計23・5%を大きく上回った。
気になったと答えた内定者のうち、52・9%が評判を調べるため、就職を目指す企業の名前と「ブラック企業」のキーワードでネットで検索していた。さらに、「インターネットなどで口コミ情報を収集」していた割合いも48・1%だった。
(【関西の議論】“ブラックアルバイト”も問題化…「売れ残り買わす」「試験前でもサービス残業」絡め取られる学生たち(3/4ページ) – MSN産経west)
ネットの評判? それは大手の話でしょう。うちみたいな小さい会社は、いちいちインターネットで評判になんてならないよ、と安心してばかりもいられません。
友人同士が Line などの SNS でつながっている若者たちの間に、ウワサが広まるのは早いものです。地元の学生たちの間に「あの会社はヤバイ」という話が広まったら、それころ企業としては「ヤバイ」状況です。
会社優先が、体にしみついてしまっている中高年にとっては、自分の考え方を変えるのは難しいことかもしれません。しかし、長時間労働こそ会社に貢献すること、という考えで労務管理を続けていると、まず採用が困難になってきます。
さらに、不幸にして社員が過労死などということになってしまったら、民事で数千万円にものぼる損害賠償を命じられるという、大きなリスクも抱えています。
会社のために必死で働かないのは「甘ちゃん」である、という考えは、会社のほうがサービス残業をおとなしくしてくれる社員に甘えている状況なのかもしれません。リスクが顕在化する前に、経営側がその甘えに気づくかどうかが、今後の企業の生き残りを分けるカギになってくるのです。
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