会社の歓送迎会などで、料理屋さんで宴会をしているとき、かいがいしく料理を取り分ける女性。あなたはどう思いますか?
やさしい、気が利く、しつけがいい、と思って眼を細める方もいるでしょう。
一方で、なにか割り切れない、もやもやした思いを抱く人もいます。わたしもそうです。
そういう行動をする女性について、点数稼ぎであるなどと思っているわけではありません。
単に、自分がサーブしやすい位置に座っているので、親切心からやっている行動である場合がほとんどでしょう。
ただ、「女性であれば、料理が出る場ではすすんで取り分けるもの」「同じ客であっても、女性はサービスする側」という感覚が、やっている本人や、まわりにも感じられる場合に、なにかもやっとするのです。
実際、これが男性の行動であれば、正直、なんとも思いません。というより、まめに動くいい人だね、ということで好感度アップというところです。
セクハラのセミナーをするとき、就業後の宴会についても、会社との関連が深い場では、そこも「職場」として扱われますので、注意してください、ということは必ず伝えます。
お酒が入って気がゆるむ、開放的な気分になってつい、というだけではありません。
職制上の上下はあっても、男性だから、女性だからということでは上下がないはずです。それが、宴会などの場では、どうしても旧来の性別役割分担がはっきり見えることが多く、そのような雰囲気の中では、女性を対等な職場の仲間としてではなく、性的な対象として見る気持ちが表に出てきがちなのです。
こういう場合、管理職や先輩としては、さりげなく男性に「◯◯さん、これちょっとお願い」と頼んだり、あれこれと動いている女性には「まあ、ちょっと落ち着いて座って、ゆっくり話しましょう」などと声をかける心遣いがあると、雰囲気がずいぶん変わってきます。
宴会の時くらい、軽い気持ちで楽しみたいのに、いちいちうるさいな、とお思いかもしれません。でも、その気持は女性であっても同じであることに、ちょっと気づいてほしいものです。