夕暮れ時のスモールライト

栃木は車社会です。栃木だけではなく、茨城・群馬、北関東は同じようなものですね。お隣の県に行こうとしても鉄道の便が悪く、いたしかたなく高速を使って自分で運転していきます。

帰りはたいてい夕方になり、薄暮の中を走ります。夕暮れ時に、ヘッドライトをつける前にまずスモールライトをつける人が多いのですが[1]JAFユーザーアンケート~ヘッドライトって、いつ点けるの? | JAF、わたしはこれが不思議でしかたありません。

まだ明るさが残っている中で、ヘッドライトより光が弱いスモールライトでは、ライトをつけて自分の車を目立たせる効果はほとんどないのではないでしょうか。周りが明るければ、なおさら強い光が必要ですよね。

まったく理屈が通らないことを「みんながやっているから」「そういう習慣だから」やっている。

安全のためには日没前に点灯するほうがいいことはわかっていても、「周りがライトをつけていないのに、自分だけつけるのは恥ずかしい。ちょっと遠慮がちにスモールにしておこう」という心理なのでしょうか。

実はわたしは、こういう考え方が大嫌いで、イライラします。夕暮れ時にスモールをつけて走っている車の主がどういう考え方なのか、ほんとうのところはわかりませんが、そういう車を見ると、内心あきれつつ走っています。いっぱいいるので、夕方走っているときは、たいていあきれているわけです。

こういうのって、職場にも蔓延しているなぁ、と思います。

こうした方がいいとわかっているけど、周りがやっていないから、自分もやらない。

ずっと前からやっている習慣だから、なんのためにやっているのか、効果があるのかないのか考えもしない。

お客様に仕事のマニュアル作りをご提案すると、たいてい現在やっている仕事を洗い出すだけで、重複している仕事や、なんのためにやっているのかよくわからない仕事が出てきます。そういう会社は特別ではなく、どこにでもあることです。

そうなってしまうには、いろいろな事情があり、よんどころないところもあるのはわかっていますが、その奥底に、こういう考えがあるのは間違いないと感じています。

楽といえば楽ですが、仕事はタコツボに、非効率に、ぐだぐだになっていきます。ぬるま湯につかっていると、基盤の弱い中小企業は生き残っていけません。

外部の専門家としては、そのようなぬるま湯の危うさにトップが気づき、従業員さんのお尻を叩いて、「この仕事はなんのためにやっているのか」「ほんとうに効果があるのか」ということを点検するように、いろいろなご提案をしているわけです。

夕方にスモールをつけて走っている車は、警察が無灯火の取締りでもしないとなくならないと思いますが、職場の「夕方のスモール点灯」は社長や従業員さんたちのちょっとした決意でなくすことができます。ぜひそのお手伝いがしたいですね。

うちはぬるま湯にしないぞ! という決意のある社長さんは、業務改善のサポートをいたします。ぜひお問合せ下さい。