プサンの街角にあった壁画のひとつ。

プサンの街角にあった壁画のひとつ。

きのうの記事について、はてなブックマークで、下のような感想をいただきました。

“会社と契約して労務相談に応じている社労士は、基本的に会社の利益になるようにアドバイスをしています”これは押さえておかないといけないよね。

はてなブックマーク – 会社は治療するところではなく働くところ | メルマガ | メンタルサポートろうむ

確か、このことについて、以前書いたよね、と思って探してみたら、ネット上に現在出していない、旧ブログのほうでした。いまでも、この内容には変わりないので、そのまま載せてみます。

元記事を発表したのは、2008年6月10日です。

なお、個人の方からの労務相談は、仕事としては、つまり有料では、基本的にお受けしていません。友人知人に限っては、仕事ではなく、相談にのることもあります。相談してくる友人が「料金はいくらかかりますか?」と尋ねてくれることが多いのですが、お金をとったことはありません。

このブログに関連したご質問であればお答えしますので、コメント欄を利用してみてください。また、「こういうことについて聞きたい」というリクエストも歓迎です。

さて、前置きが長くなりましたが、以前書いた記事を再録します。

社労士はだれの味方か

労働法に詳しい人間として、友人知人の仕事上での個人的な相談にのることがたまにある。ひどい事業主(または上司)がいたもんだ、と目をむくような話も聞くが、一方で相手の言い分も聞いてみないとほんとのところはわからんよなぁ、という感想も持つ。

相談してくれた人が自分に都合のいいように事実をねじまげているというわけではなくて、立場が違えば見えるものも違っているし、コミュニケーションの不具合で話がすれ違っていることもあるかもしれない、ということだ。

世間には度し難いパワハラ上司や、労働者を将棋の駒みたいに考えている経営者もいるのだろうが、経営者と労働者といっても、すぐに顔の見えるところで働いている中小企業では、労働者が困っているからといって、単純に弱いものいじめというわけではなく、互いの求めるものがすれ違っている、とか、経営者が違法だと知らずに労基法違反を犯してる、なんてことが多い。

しかし、労働者の側は、誠実に働けばそれで労働契約上の義務は果たせるが、力関係は一般的に会社のほうが強いのだから、会社側には、単に仕事を与えてお給料を出す、という以上の配慮が求められると思っている。

社労士は企業と契約して顧問料をもらっているのだから、会社の味方か労働者の味方かと問われれば、当然会社側である。だからといって、阿漕な経営者が満足するように、法の知識を生かしてその網の目をかいくぐり、労働者から合法的に搾取する方法を指南する、ということは考えてない。幸い、わたしの顧問先でえげつないことを要求されたなんてことはないので、そんなことをする必要もないのであるが。

経営上決まっているルール、つまり各種法令を無視したり、働いている人の気持ちや生活を無視したりするのは、長い目で見れば経営に大きなマイナスだという信念がある。

社会正義、とか、労働者の味方をするために社労士をやっているわけではないが、結果的には顧問先のお客様にはこうるさいことばっかりいう社労士と思われてるかもしれないなぁ。

「法律だから守らなくてはいけない」ではなくて、法違反によってどんなリスクがあるか、かりに法令を犯してしまったとしたら、そのリスクを最小限にするためにはどう対応したらいいか、という点をアドバイスしているつもりなのであるが。

経営者が「いい人」で、労働者を家族のように大事にしても、会社をつぶしちゃった、なんて例は別に珍しくもない。経営者は善良な人間である必要はないが、会社をうまく動かすためには、労働者をうまく動かす、つまり、働いている人と良好な関係を築く、ということが必要なのである。

法令と会社の都合、労働者の都合、この3点のどこか中間に必ず落としどころはあるのだ。なるべくそれに近い場所を見つけるのが専門家というわけで。岡目八目の利点もあるしね。

(2008年6月10日)

 

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