「報連相をしなさい、と、いつも言っているのだが、社員のほうから自発的に報告をしてこない」
「会議のときの発言が、現状追認ばかりで積極性がない」
こんな悩みをお持ちの管理職、経営者の方も多いのではないでしょうか。
「なにも言ってこない部下が悪い!」
という考え方からは、残念ながらなにもうまれません。
だれが悪い、という「人」に着目した「犯人探し」をやめてどうしたらこの状況が変わるのか、という「こと」に着目した建設的な考え方をしたいものです。
そして、人を変えるより、自分が変わるほうが簡単です。
自分が変われば、相手との関係も変わり、相手も変わっていきます。
「部下が喜んで報告や相談をしにくるように、報告を受ける側であるわたしは、どのようにしたらよいのか?」ということを考えてみましょう。
あなたの友人や身近な人の中で、あなたがなにかあったら相談したい人を思い浮かべてみてください。
その人は、あなたが「聞いてほしいことがあるんですよ」とか「ねえねえ、聞いてくれる?」と言ったとき、どういう反応をするでしょうか?
難しい顔をしていますか?
「いま忙しいから、ちょっとあとにして」といいますか?
話を聞くとき、自分のやりかけの仕事が気になって、上の空ですか?
あなたの話に対して、否定しますか? お説教しますか?
相談したいとあなたが思う人は、そういう反応はしないはずです。
自分が話をしたい、相談したい、と思う人がしてくれるような反応を、あなたも部下に対してすればよいのです。
具体的には、このような点がポイントです。
まずは、手をとめて、相談・報告してくる相手の顔をちゃんと見る。
忙しくてどうしても時間がとれないときは「あとで」じゃなくて「何時何分にどこで」と話を聞く時間・場所を具体的に設定する。
相手の話が全部終わるまで、さえぎらない。否定しない。説教しない。
じーっと黙って聞いているのではなく、うなづいたりあいづちをうつ。
話の内容にもよりますが、笑顔がいいですね。
腕組みをしたり足を組まない。ペンでデスクをとんとん叩いたりしない。
少し気をつければ、形から入れるところも多いはずです。
まずは、あなた自身が、報告・相談しやすい人になる。それが、職場のコミュニケーションを活性化する第一歩です。