ときどき、同業者である社会保険労務士向けに、セミナーをすることがあります。
タイトルは、そこで言われたことがある言葉です。
「そんなに教えちゃっていいんですか?」
同業者はライバルでもあります。
しかも、わたしの仕事は地域性があまりなく、専門性が似ている人であれば、競合してしまうわけですね。
講師の仕事にしても、わたしよりも営業力のある大手の事務所等で、わたしと同じ実力の人がいれば、まずかなわないでしょう。
しかし、これは「同じ実力の人」という条件での話です。
あまり考えられない想定ですが、たとえば、わたしのセミナーを聞いて、丸パクリしたとしても、同じセミナーにはなりません。
こんな氷山のイラスト、見たことある方も多いはずです。
講師が参加者の前でお話することは、この氷山の海の上に出ていて見える部分です。
その下に、見えない10倍以上の知識、それも経験に裏打ちされたものがなければ、人前でお話することはできません。
海面下の部分がないセミナーは、考えただけでもぞっとします。
小学生の学習発表会、と言うと、いっしょうけんめい調べて勉強している小学生に失礼でしょうか。
確かに、同じレジュメを使って、複数の会場で講演することはありますが、テープレコーダーではあるまいし、いつも同じ話をしているわけではありません。
参加している方たちの表情を見ながら、内容をアドリブで選びつつお話しています。
その「選ぶ」引き出しがないと、ほんとうにテープレコーダーになってしまいますよね。
頭の中にあるものを、いっしょうけんめい思い出して吐き出している。
そんな新人営業パーソンの営業トークは、たいくつなものです。
そういうセミナーをしたければ、丸パクどうぞ、ということです。
もちろん、そんな愚かな人はいませんから、取捨選択して取り入れられるものは取り入れる、という利用の仕方をするのがふつうですね。
レジュメ等、著作権で保護されているものをそのまま流用されるのは困りますが、話した内容を自分なりに使うのは、まったく構いません。
とくに、ハラスメント防止、女性活躍推進というテーマについては、事業主の方に自信をもってお話できる社労士がまだまだ少ないと感じています。
このテーマで社労士が活躍しなければどうするの、とも思っています。
オンラインであれば、3名集めていただければいつでもセミナーは開催できますので、わたしの引き出しから少しでも盗みたいと思っている方は、ぜひお問合せください。