健康経営を意識し、従業員の健康づくりに取り組もうというときに問題となるのが、「笛吹けど踊らず」…担当部署があれこれ考えて企画しても、従業員からの反応が鈍い、ということです。

また、せっかく始めても、続かない人が多く、尻すぼみに…という悩みもありますね。

そんなときは、スマホアプリを利用して、楽しみながら取り組んでもらうという方法が有効です。

健康経営にスマホアプリを利用するメリット

スマホアプリの利用には、次のようなメリットがあります。

1.親しみやすさと利便性

スマホアプリは個々の従業員にとってとても身近で親しみやすく、利便性が高いものです。
従業員は自分のスマホから、アプリを通して、必要な情報やツールに簡単にアクセスできます。
これにより、健康情報や支援がいつでも手に入り、自分の好きな時間に活用できます。
日常の中にするりと入ってくのがスマホアプリだと言えるでしょう。

2.カスタマイズと個別対応

健康に関するスマホアプリを最初に開くと、まず、個々のユーザーの身長体重、目標等を尋ねられます。
このような情報をもとに、内容をカスタマイズしているのです。
スマホアプリを使うと、従業員ひとりひとりの健康ニーズや目標に合ったアドバイスやサポートを受けることができます。

3.リアルタイム情報と通知

アプリはリアルタイムの情報提供と通知を可能にします。
たとえば、運動目標に達成した瞬間や、健康チェックアップの予定が近づいたとき、アプリから通知を受けることができます。
タイミングのよい通知により、従業員は健康に関する目標を忘れることなく、モチベーションを維持できます。

4.データの記録とトラッキング

スマホアプリは従業員の健康データを簡単に記録し、トラッキングできます。
食事、運動、睡眠などの情報を入力し、健康の変化を視覚的に追跡できます。
ほとんどのアプリは、見やすく美しいデザインのグラフを多用して、毎日楽しく数字を確認できます。
これにより、目標達成の進捗を可視化でき、モチベーションを高めることができます。

5.ソーシャルコミュニティと競争要素

多くのスマホアプリは、「友達になる」「グループをつくる」等の機能があります。
ユーザー間でコミュニティを形成し、競争要素を取り入れることで、友達や同僚と励まし合い、健康的なライフスタイルをサポートし合うことができます。
これはモチベーションを高め、社内の健康づくり活動を盛り上げます。

健康経営に利用できるスマホアプリ

健康経営に役立つスマホアプリは、多数あります。

代表的なものを、種類別に見てみましょう。

健康経営を意識した健康管理アプリ

健康経営のサポートのために開発されているアプリなので、使い勝手がよいでしょう。
企業で使う場合は、有料のものもあります。

健康管理アプリで企業の健康経営 | グッピーヘルスケア

健康経営支援サービス「&well(アンドウェル)」 三井不動産

歩数計アプリを活用したイベント開催で健康経営をサポート! | 健康経営のためのRenoBodyウォーキングイベントサービス

【サントリープラス】健康経営サービス | 導入ラクラク!費用無料! | SUNTORY+

カラダの毎日を管理できるアプリ「CARADA」

社内ウォーキングイベント開催で企業の健康経営を促進 – ナビタイムのヘルスケアソリューション ALKOO for Business

自治体の健康ポイントアプリ

宇都宮市健康ポイント事業 | 歩いて・貯めて・使える健康で愉快だ宇都宮 公式サイト

リンクしたのは、筆者が住む宇都宮市の健康ポイントアプリです。

多くの自治体がこのような事業を行っていますので、あなたの会社所在地にもある可能性が高いでしょう。

無料の上、地域の企業がスポンサーについており、ポイントをためてもらえる商品も、なかなかよいものがあります。

ぜひ、検索してみてください。

位置情報ゲーム

数年前にポケモンGOがブームになりましたが、その後もさまざまなゲームが出ています。

ゲームを楽しみながら、いつのまにかたくさん歩いているというもので、筆者もピクミンブルームを利用して、毎日ウォーキングしています。
筋トレも平行して行っていますが、3ヶ月で血糖値(HbA1c) も、血圧も顕著に下がりました。

大ヒットしたゲームから派生したものをご紹介します。

ドラゴンクエストウォーク 公式プロモーションサイト | SQUARE ENIX

『ポケモン GO』公式サイト

モンスターハンターNow – Monster Hunter Now

信長の野望 出陣 | コーエーテクモゲームス

Pikmin Bloom 「ピクミン ブルーム」 – ピクミンとおでかけ

ポイ活アプリ

歩くだけで、ポイントがたまったり、仮想通貨がもらえるというアプリもあります。

ふだん使っているポイントサービスと連動しているものを選ぶとよいでしょう。

トップページ | Powl

クラシルリワード | 移動・チラシ・レシートでポイントがたまるアプリ

楽天ヘルスケア 毎日のヘルスマネジメントをもっとカンタンに、もっととトクに。

トリマ | 移動するだけでポイントが貯まるポイ活アプリ

Sweatcoin: より健康な世界へ。より健康でリッチなあなたへ。

BitWalk 日々の一歩をビットコインに

WalkCoin | 株式会社Agoop

ダイエット・栄養管理アプリ

健康づくりのために、運動と並んで重要なのが日々の食事です。

これもサポートしてくれるアプリがいろいろありますが、団体で使いやすいものは次のふたつでしょう。

あすけん | あすけんダイエット – 栄養士が無料であなたのダイエットをサポート

カロママ プラス

会社で健康づくりの一環として利用する注意点

スマホアプリを利用した健康づくりは、いいことばかりではありません。

会社で取り組む場合の注意点を挙げておきましょう。

希望者のみで実施する

「健康のためになるのだから、参加してなにも悪いことはないだろう」という考えで、従業員全員に強制していないでしょうか。

健康づくりというのは、業務から離れ、日常生活に大きく介入する取り組みです。
「こんなことまで会社に指図されたくない」という反発は、十分考えられます。

また、強制されたと従業員が感じることで、仕事のモチベーションまで下がってしまうこともあります。

会社からは「おすすめ」にとどめ、決して強制せず、希望者のみの参加で取組みましょう。

プライバシーに配慮する

体重、食事内容、運動、睡眠等の健康情報は、個人のプライバシーです。

歩数くらいなら会社に知られても問題ないだろうと思うかもしれませんが、スマホにはGPSが入っているので、「どこにいたか知られたくない」と思う人もいるでしょう。

「知られても問題ない」からといって、「知られたらいやだ」という気持ちまで否定しないようにしましょう。

スマホアプリを使って、なんらかのイベントを行う場合、会社からわかる情報はどのようなものか、また、「健康づくり」という目的以外には決して使用しないということを、ていねいに説明することが必要です。

グループ競争の加熱に注意

グループ単位で競うようなイベントを行う場合、勝ち負けに熱中するあまり、グループのメンバーを圧迫するような態度を取る人が出ないように、前もって注意しておきましょう。

競争するのは、健康づくりや親睦が目的なので、人間関係がぎすぎすしてしまっては、本末転倒です。

個人のスマホの負担をどうするか

社用のスマホを使う、また、全員にスマートウォッチやスマートバンドをプレゼントする等、デバイスにある程度経費を使える場合はよいのですが、個人のスマホにアプリをインストールして取り組もうという場合、その負担をどうするかという問題が出てきます。

アプリをひとつ入れるだけ、と思うかもしれませんが、身体活動を記録するアプリは、24時間バックグラウンドで働き続けており、スマホのバッテリーの消耗が激しくなります。

この点については、前もって従業員に知らせ、了解を取らなくてはなりません。

就業時間中に会社でスマホの充電を許可する等、柔軟に対応しましょう。

いくつかの注意点さえ守れば、スマホアプリを使った健康づくりは、楽しく、モチベーションが維持できるものです。

自社に合ったアプリはどれか、実現したい内容を考えて選ぶようにしましょう。

多くの従業員が健康を意識し、食事・運動・睡眠に気を使うことは、会社の生産性に大きくプラスになります。
メンタルサポートろうむ代表の李は、健康経営エキスパートアドバイザーの資格を持っており、スマホアプリに限らず、健康経営全般のアドバイスやコンサルティングを行うことができます。

この記事にピンと来たら、お気軽にご相談ください。