年度替わりの4月ですね。
社労士が扱う労働関係の助成金も、このタイミングでリニューアルします。

さて、今年度の助成金は、昨年までの助成金の流れを引継ぎつつ、統合整理されると同時に、大きな変化がひとつあります。
昨年度秋の補正予算で一部出ていたのですが、今年度当初から揃い踏みです。

その変化とは、生産性の向上が助成金割増の要件となったことです。
これを生産性要件といいます。
割増ですので、生産性を向上させなくても、支給要件を満たして申請すれば、従来通り助成金は支給されます。
ただし、昨年よりも若干少なめの金額になっています。
そして、生産性を向上させると、かなり大きな額や率の割増があります。

たとえば、両立支援助成金の女性活躍加速化コースでは、取組目標、数値目標達成時に、それぞれ 285,000円(2016年度 300,000円)支給されますが、生産性要件をクリアすると、支給額がそれぞれ360,000円となります。
各助成金で支給額や支給率などは異なりますが、おおむねこのような傾向です。

生産性要件が導入される助成金は、下の表のとおりです。
見慣れない名前の助成金もありますが、助成金名もかなり変更になっています。
それぞれリンク先の詳細をご覧ください。

テーマ 助成金 コース
再就職支援 労働移動支援助成金 早期雇入れ支援コース
人材育成支援コース
移籍人材育成支援コース
中途採用拡大コース
雇入れ 地域雇用開発助成金 地域雇用開発コース
雇用環境の整備 職場定着支援助成金 雇用管理制度助成コース
介護福祉機器助成コース
保育労働者雇用管理制度助成コース
介護労働者雇用管理制度助成コース
人事評価改善等助成金
建設労働者確保育成助成金 認定訓練コース
技能実習コース
雇用管理制度助成コース
登録基幹技能者の処遇向上支援助成コース
若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース
女性専用作業員施設設置助成コース
65歳超雇用推進助成金 高年齢者雇用環境整備支援コース
高年齢者無期雇用転換コース
仕事と家庭の両立 両立支援等助成金 事業所内保育施設コース
出生時両立支援コース
介護離職防止支援コース
育児休業等支援コース
再雇用者評価処遇コース
女性活躍加速化コース
キャリアアップ
人材育成
キャリアアップ助成金 正社員化コース
人材育成コース
賃金規定等改定コース
諸手当制度共通化コース
選択的適用拡大導入時処遇改善コース
短時間労働者労働時間延長コース
人材開発支援助成金 特定訓練コース
一般訓練コース
キャリア形成支援制度導入コース
職業能力検定制度導入コース
最低賃金
引き上げ
業務改善助成金

さて、生産性というのは、どのように計るのでしょうか。
計算式や要件は、下記の厚生労働省パンフレット(リンク先はpdf)をご覧ください。

また、生産性を計算するために、「生産性要件算定シート」も PdfExcel ファイルでそれぞれ提供されています。

ここでひとつ注意しなければならないのは、次の要件です。

なお、「生産性要件」の算定の対象となった期間中に、事業主都合による離職者を発生させていないことが必要です。

「生産性要件」の算定の対象となった期間がいつから始まるかというと、直近の会計年度と比べる、3年前の会計年度の初日です。
かなり長い期間、事業主都合の離職者が出ているかどうか見られるので、生産性の数字がクリアできていても、ここでひっかかる可能性もあります。
この点のチェックも必要ですね。

ますます複雑になっている助成金。
しかし、もらえるものであればもらっておきたいもの。
うちの会社は対象になるのか? ちょっと読んだだけではわかりませんね。
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