全国の最低賃金が出揃いました。

今回は、というか、今回も上げ幅が大きいので話題になっています。

栃木県も853円となりました。
850円でパート・アルバイトを雇用していた事業所は多いでしょうから、時給を上げないと、法律違反になってしまいます。

また、ファストフードやコンビニなどで、高校生と、それ以外の成人とで時給に差をつけているところがよく見られますが、高校生、18歳未満の人にも最低賃金は適用になりますので、すべて853円(栃木県の場合)以上にしなければなりません。

最低賃金には2種類あり、現在話題にしている地域別の最低賃金は、パート・アルバイト含めてすべての人に適用されます。
18歳未満だろうと、高齢者だろうと、障害者だろうと、基本的にはこれ以下の金額で雇ってはいけないのです。

もう1種類の最低賃金は、18歳未満と65歳以上は適用しなくてもよいので、こちらと混同しないようにしましょう。

もう1種類とは、特定(産業別)最低賃金と呼ばれているものです。
通常、地域別最低賃金よりも高くなっています。

こちらは、都道府県別、さらに業種別に決められています。
都道府県によって、特定最低賃金が適用される業種も違います。
北海道を見ると、「処理牛乳・乳飲料、乳製品、糖類製造業」が入っており、地域性がうかがえます。

さて、各地域ほとんど入っているものに、「各種商品小売業」とあります。

各種商品? これだけ見ると、どのような小売業が適用されるのかわかりませんね。

コンビニのアルバイトというのは、最低賃金程度の金額が多く、また高校生以下とそれ以上で時給を変えて募集されていることもよくあります。
ひょっとしてこちらが適用されるのでしょうか?

特定最低賃金での業種は、日本標準産業分類で決められており、具体的にどの業種が適用になるのかは、そちらで見ることになります。

ここでは、埼玉労働局にそのものずばりの説明がありますので、こちらを見てみましょう。

※1 各種商品小売業とは、日本標準産業分類解説の「衣、食、住にわたる各種の商品を一括して一事業所で小売する事業所が分類される。この事業所は、その性格上いずれが主たる販売商品であるかが判別できないものであって、百貨店、デパートメントストアなどと呼ばれるものにその例が多い。」によるものが該当します。

※2 コンビニエンスストア(飲食料品を中心とするものに限る)は「I589その他の飲食料品小売業」に該当するため、各種商品小売業に該当しません。

ということで、コンビニのバイトは、地域別の最低賃金が適用されます。
当然、高校生も同じ金額です。
最低賃金以上であれば、高校生かどうかで賃金に差をつけること自体には、とくに問題ありませんけどね。

ちなみに、現在栃木県の各種商品小売業の最低賃金は850円です。
特定最低賃金の改定は、地域別最低賃金と時期が違います。
地域別最低賃金は、10月1日から856円になりますので、特定最低賃金が発効するまでの3ヶ月程度は、逆転してしまいます。
これも、最低賃金の上げ幅が大きいから出てくる現象ですね。

雇う側はもちろん、自分の会社の業種がなにに当たるのか、地域別最低賃金が適用されるのか、特定最低賃金が適用されるのかは知っておく必要があります。
現在のように毎年20円以上最低賃金が上がっていく状態では、情報のアップデートが追いつかず、最低賃金法に違反している募集の張り紙などもよく見かけます。
雇われる側も、応募するときにはチェックするようにしましょう。