
ことしも花粉症の季節が到来しました。
花粉症の有病率は2019年現在で4割を超えており、あなたの職場でも「くしゃみがとまらない」「目がかゆくて集中できない」等の声があがっているのではないでしょうか。
多くの企業で、この時期の従業員の体調管理と生産性の維持が課題となっています。
本稿では、企業が実施できる低コストで効果的な花粉症対策をご紹介します。
これらの対策で、つらい症状を少しでも緩和し、仕事に打ち込める体制をつくりましょう。
1. 職場環境の改善
空気清浄機の設置
HEPAフィルター搭載の空気清浄機を会議室や執務スペースに設置することで、花粉やアレルゲンを効果的に除去できます。
例えば、ある企業では会議室に1台設置しただけで、参加者の集中力向上が報告されています。
また、匂い対策になる空気清浄機を導入することによって、相談の多いが、解決が難しい「同僚の匂い」についても軽減が期待されます。
清掃体制の強化
定期的な清掃の頻度を上げることで、室内の花粉を減少させることができます。
特に、床や家具の表面を湿った布で拭く方法が効果的です。
ある企業では、昼休み後の15分間を「クリーンタイム」として設定し、全員で簡単な清掃を行うことで、午後の業務効率が向上したという事例があります。
2. 柔軟な勤務体制の導入
テレワークの活用
花粉飛散量が多い日にテレワークを推奨することで、従業員の症状悪化を防ぎ、生産性を維持できます。
ある IT 企業では、花粉情報と連動した在宅勤務制度を導入し、従業員の満足度が向上しました。
フレックスタイム制の導入
通勤時の花粉暴露を減らすため、フレックスタイム制を導入することが効果的です。
これにより、従業員は花粉飛散のピーク時を避けて通勤することが可能になります。
3. 従業員への支援と啓発
花粉症対策グッズの提供
マスクや目薬、ウェットティッシュなどの基本的な花粉症対策グッズを職場に備え付けることはいかがでしょうか。
従業員の急な症状悪化に対応することで、コストを抑えつつ、従業員の健康管理をサポートする効果的な方法です。
情報提供と啓発活動
花粉症対策に関する正確な情報を従業員に提供し、予防行動を促すことが重要です。
社内報や定期的なメールマガジンなどを活用し、最新の花粉情報や対策方法を共有することで、職場全体の意識向上につながります。
4. アレルギー対応ポリシーの導入
健康被害をもたらすのは、スギ花粉だけではありません。
花粉症以外のアレルギーをもった従業員にも配慮することで、会社への信頼も増し、働きやすい職場を作ることができます。
フレグランスフリーポリシー
強い香りの柔軟剤が、気になる方も多いのではないでしょうか。
このような強い香りは、「気になる」というレベルではなく、重篤なアレルギー症状を引き起こすことがあります。
会社として、強い香りのある製品の使用を控えるよう従業員に呼びかけることも一法です。
週に1日でも「フレグランスフリーデー」を設定することで、職場環境の改善につながった事例もあります。
食品アレルギーへの配慮
社員食堂がある場合、アレルギー対応メニューの導入を検討することも有効です。
食品アレルギーに関する表示をするだけでも、安心して食事をすることができますね。
また、この時期には花粉症を悪化させる可能性のある食材を控えたメニューを提供することで、従業員の健康管理をサポートできます。
まとめ
これらの低コストな対策を組み合わせて実施することで、企業は従業員の健康と生産性を効果的に向上させることができます。
花粉症対策は一朝一夕には解決できませんが、継続的な取り組みによって、より快適な職場環境を実現し、企業の競争力強化にもつながります。
各企業の状況に応じて、これらの対策を適切に選択・導入し、従業員の健康管理と業務効率の向上を同時に達成することを目指しましょう。