メンタルヘルスセミナーで、必ずお伝えしていることがあります。
「『死ぬ死ぬ』って言ってる人は、ほんとうに自殺したりしない」っていうのは、迷信です!
ということです。
「誤った認識」や「誤解」という言い方もありますが、あえて「迷信」と言いたいと思います。
それほど、これは根拠がなく、実際はまるで反対なのです。
「結婚式は大安に」なんてことであれば、実害は少ないですが、これは、まさに人の生死に関わることであり、こんな迷信を信じていると、取り返しの付かないことになりかねません。
不幸にも自殺してしまった方は、その7割以上が、実行する前になんらかのサインを出していた、という調査があります。
具体的に、どのようなサインなのかははっきりわかりませんが、「死にたい」ともらす、ということは、その中でもはっきりした兆候です。
そのようなサインに気づいていたのに「まさか本気じゃないよね。だって、死にたいって言う人はほんとに死なないっていうじゃない」と、軽くとらえていて、一生の悔いを残す、というのは、実際にあることなのです。
お勤めしている人はたいてい、家族と過ごすよりもずっと長い時間を職場ですごしています。
ですから、同じ職場の人が、ほんとうに危険な兆候に気づけずにいると、家族もわからないということがありうるのです。
あなたの身近のだれかが「死にたい」と、ふと口にしたら、それが軽い調子だったとしても、きちんと受け止めて下さい。
「どうしたの? よかったら話してもらえないかな?」
この一言が重大な結果を防ぐかもしれません。
「死にたい」という言葉は、ほんとうは
「生きたい。でも、生きていくにはつらすぎる」
という意味なのです。
ゆめゆめこのような危険な迷信にとらわれないよう、そして、まわりにこの迷信を信じている人がいたら、それはまったく根拠がない有害な迷信だと、教えてあげて下さい。
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