さて、やっと最終章に。
左の写真はつい数日前に、研修のお仕事中に撮ってもらったものです。
その1に出した写真と同じ服装をしています。
全身写っているので、まだまだ太めなのもわかり、でも、もう肥満体じゃないのもわかる、という写真ですね。
ダイエットは継続中ですが、いまのところはこんな感じです。
ここからは、ダイエットに使える、マインドフルネスのさまざまな手法や効果をご紹介しましょう。
食べる瞑想
まさにダイエット向き!
といいたいところですが、食べる瞑想をしたからといって、食べたくなくなるわけではありません。
ふだん、「自動操縦」のような状態で、無意識に食べている人には、とてもよいエキササイズです。
レーズンを使うことが多いのですが、食べ物はなんでも構いません。
まずレーズンを一粒手のひらに載せ、まるで初めて見るかのように、しっかりと観察します。
色、形、しわのひとつひとつまで見ます。
そして、その手を鼻に近づけ、匂いを嗅ぎ、その香りをまず味わってから口に入れます。
手の動き、鼻孔を通る空気、匂いに応じて口の中にわいてくる唾液、そういうひとつひとつを意識します。
ゆっくりかみます。
味だけではなく、歯や舌や口の中全体で感じる感覚に注意を向けます。
飲み込むときも、飲み込む感覚、そしてレーズンが食道を通って胃に落ちていく感覚を意識します。
時間が決まっているわけではありませんが、レーズン一粒を食べるのに、3分から5分かける、といえば、だいたいイメージできるのではないでしょうか。
食事のときにこの「食べる瞑想」を行い、5キロやせた方がいるそうです。
だれかといっしょに食べるときには、明らかに挙動不審になってしまうので向きませんが、ひとりのときに一度やってみて下さい。
「食べる」ということへの意識が変わります。
ふだんの食事も、ここまではやらなくても、しっかり「今ここ」に意識を向けて食べるようにすると、どか食いがなくなり、結果的に食べる量は、それぞれの身体の必要に応じたほどよい量になっていくでしょう。
空腹に飲み込まれない
マインドフルネス瞑想を行うと、さまざまな雑念がわいてきます。
どこかがかゆくなったり、痛くなったりするときもあります。
「かゆい!」と思ったら、ふだんはすぐに手を伸ばしてかきますよね。
そのときに「いまわたしはかゆいと感じている」と思い、すぐにかかずにかゆみの感覚を味わうのです。
そうすると、たいていは数秒で消えてしまいます。
ほかのいろいろな感情や感覚も、そんなふうに現れては消えます。
感情や感覚は、自分の中にあるものですが、自分自身とイコールではありません。
毎日瞑想を行うと、そのことが実感としてわかるようになってきます。
マインドフルネスは、慢性的な疼痛の患者のメンタル面からの治療プログラムとして利用されています。
1979年、洞察瞑想の研修会での体験から、当時東洋の宗教と考えられていた瞑想やヨーガを、万人のためのものとして活用すべきであると一念発起。マサチューセッツ大学医学部に「ストレス低減クリニック」(現:医療・ヘルスケア・社会のためのマインドフルネス・センター)を開設し、マインドフルネス・ストレス低減法(MBSR)のプログラムを、慢性疼痛の代替医療として実施し始める。
(マインドフルネスフォーラム2012/ジョン・カバットジン博士のプロフィール)
もちろん、かゆみ、痛み、それらの不快な感覚は、なんらかの身体の不具合のサインですから、程度がひどければ治療する必要があります。
しかし、治療の必要のない場合、治療してもなかなか痛みの軽減に至らない場合は、「痛みと自分は別のものだ」と考えるマインドフルネスが助けになります。
ダイエットするときは、空腹という感覚との戦いになりますね。
たいていは、別のことをして空腹から意識をそらす、または、コンニャクなどのローカロリーなものを食べて、空腹自体を感じなくする、という対処をします。
これはこれで有効なアプローチですが、わたしの場合は、そのうちリバウンドというワナが待っていました。
マインドフルネスでは、そのようなアプローチとは違い、感覚(空腹)は自分自身ではなく、いずれ過ぎ去るもの、という実感をもつことによって、空腹に飲み込まれなくなるのです。
安眠できるようになる
わたしは、長年睡眠に問題があり、早朝覚醒という悩みを抱えていました。
これ自体は、夕食を夜7時(できれば6時)までに食べ終わるようにして、眠るときには胃がからっぽになるようにする、もちろん、アルコールについてもその時間を守る、ということで、かなりの部分が解決しました。
しかし、仕事で遅くなったり、夜遅くまで人と話していたりすると、なかなか寝付けない、という問題は残っていました。
でもこれも、マインドフルネスの瞑想で、解決したのです。
瞑想は、意識を明晰に保つものですから、やっていると眠くなって寝てしまうから、というわけではありません。
瞑想の途中で寝てしまってもそれはそれで構いませんし、「ボディスキャン」というエキササイズは横たわってやるので、疲れていると高い確率で寝てしまいます。
それはそれでOKです。
寝ないようにがんばる、というのは、マインドフルではありません。
呼吸を意識して瞑想することによって、交感神経と副交感神経のバランスが整い、緊張やストレスが解消されるので、その後、ゆっくり眠れるようになります。
ストレス過多だと夜中に目が覚めてしまったりするのですが、そういうこともなくなり、朝までぐっすり眠り、自然にほどほどの時間に目が覚めます。
ダイエットに睡眠不足は大敵です。
体重が落ちるのは夜眠っている間です。
睡眠の質が改善されるマインドフルネスの効果は、もちろんダイエットの大きな助けになります。
ダイエットだけではなく、一生使える技術
ここまで読んでいただければ、ダイエットだけではなく、生活の質を高め、いきいきと楽しく暮らすために、マインドフルネスがとても役立つことは明らかでしょう。
そんなことは知っているよ、本も何冊も読んだ、という方もいるかもしれません。
でも、瞑想が続かないのはなぜですか?
疑問な点があっても、だれにも聞けずにもやもやしてしまい「こんなことをやってもムダだ」と感じるからではないですか?
マインドフルネス瞑想は、1週間、1ヶ月、3ヶ月、1年と続けていくと、どんどん楽しい変化が現れてきます。
ぜひあなたにも、そんな楽しさを味わっていただきたいのです。
いっしょに楽しむ仲間がたくさんあらわれることを願っています。