上の画像をご覧ください。
この2枚の写真は、どちらも昨年、仕事中の筆者を撮ったものです。
レオタードかなにか、体の線が出るようなかっこうで、使用前使用後の写真を出したいところですが、そのような写真は撮っておりませんし、品位という点で問題があるかもしれません。
これでも、じゅうぶんやせたのがわかりますよね。
10キロの差があります。
ダイエットを何度やってもリバウンドし、もう投げ出していた
とはいえ、やたらとダイエットダイエット、やせていなければ人にあらず、女性としての魅力もない、という風潮はどうかと思っています。
自分が太っている言い訳ではなく、人にはそれぞれ自分らしい体型があり、ファッション雑誌に出てくるような体型だけがよいのではない、という考えからです。
ただ、わたしの場合は、若い頃にはやせていて、さらに体力もないので、太っていることで体に相当負担がかかり、健康とはいえない状態でした。
健康診断でとくになにかの数値がひっかかるわけではないのですが、いつも疲れやすく、根気がなく、イライラしやすい。
たくさん歩いたり立ち仕事をすると、すぐに足が痛くなります。
10キロ以上の重りを24時間つけて生活しているようなものですから、当然ですね。
このまま年をとると、膝が悪くなって歩けなくなるのではないだろうか、という恐怖を感じていました。
きのうきょう太ったわけではないので、ダイエットの必要は何年も前からあり、実際何度もトライして、そのたびに5キロ以上減らしています。
しかし、何度やってもじきにリバウンドしてしまい、体重の最高値は上がるばかり。
自分の体なのに、自分でコントロールできない状態です。
努力してももうムダだ、と投げ出していました。
太っている人の食べ方と、やせている人の食べ方
太っている人とやせている人の食べ方の違いについて、こんな話を聞いたことがあります。
太っている人は、正午になったらランチを食べる、「ケーキ買ってきたよ、食べない?」と言われると、すぐにとびつく。たまにしか食べられないような珍しい料理だと、別にお腹が空いていなくても食べてしまう。
やせている人は、いつも食べている食事の時間だろうと、おいしいケーキだろうと、自分が空腹でないときは、食べないし、誘われても断る。
わたしの子供ふたりはやせているのですが、彼らはこの話のとおり、自分がほしくないときは、誘っても「いらない」と言って食べません。
自分の食欲、お腹の減り具合が食べる食べないの判断の基準なのです。
そして太っているわたしはというと、食事の時間だから食べる、目の前においしそうなものがあれば食べる、という具合で、自分の側の欲求はあまり考えていませんでした。
また、わたしは、食べる量にしても、自分がどれだけ食べたいかではなく、目の前のお皿に載っているものは、すべて食べる、という食べ方をしていました。
満腹でも残すのではなく、完食するのが当たり前でした。
とにかく、自分の体の声は無視していたんですね。
目の前に来たものに反応しているだけ、自動操縦で動いているようなものでした。
マインドフルネスとは「今」という瞬間を意識的に生きること
さて、ここでようやくマインドフルネスの話になります。
マインドフルネスという言葉を意味から考えてみましょう。
mindful という英語の形容詞は「注意深い」という意味で、ness がつくとその名詞形、「そのような状態であること」を表します。
また、パーリ語[1]スリランカ,ミャンマー,タイ,カンボジアなどで信仰されている,いわゆる南方仏教の聖典に用いられている言語の sati を訳した言葉だとも言われています。
sati を漢訳すると「念(観察する、気づく)」であり、和訳すると「気づき」となるそうです。
つまり、太っていたときのわたしの食べ方とは正反対、自分の体の状況に注意深くなることが、マインドフルネスなのです。
マインドフルネスというと、すなわち瞑想と思われていますが、実はもっと広い概念です。
「注意を集中する」という事自体が、瞑想のひとつであり、日常すべてに関わってくるのが、マインドフルネスという技法であり、考え方です。
さて、瞑想をするときのように自分の心の動きに注意を集中していくと、自分の心が、現在よりも過去や未来に思いをはせている時間のほうがずっと長いことに気がつかれると思います。つまり、実際に、”今” 起きていることについては、ほんのすこししか自覚していない、ということなのです。そして、私たちは “今” というこの瞬間を十分に意識していないために、多くの瞬間を失ってしまっているのです。この無自覚さがあなたの心を支配し、やることすべてに影響を与えるのです。私たちは、自分のしていることや経験していることを十分に自覚しないまま、多くの時を “自動操縦状態” で習慣的にすごしているのです。いわば、半眠半醒の状態にあるようなものなのです。
自動操縦状態に陥ると、私たちは、非常に大事なものを見失ったり、無視したり、見過ごしたりしてそれをコントロールできなくなってしまいます。
その大事なものというのは、自分の体です。私たちは、ふだん体がどう感じているかということについてはほとんど意識していません。かろうじて体との交信を最低限に保っている程度です。そしてその結果、体が、環境や、自分の行動や、思い込み、感情などにどれだけ影響を受けているのかということがわからなくなっています。体がそれらの影響を受けているということに気がつかないがために、なぜだかわからないけれど、
自分の体がコントロールできない、ということになってしまいます。
(『マインドフルネスストレス低減法』J.カバットジン)
この本を読んだとき、まるで自分のことを言われているようだと感じました。
ただ、そこから実際にダイエットを始めるまでには、もう少し時間が必要でした。
でも、それでよかったのだと思います。
マインドフルネスを日常にとりいれ、ダイエットにも活かすということで、「自分の体がコントロールできる」状態にだんだん近づいてきているからです。
その具体的な方法については、「その2」でお伝えしましょう。
完結編の「その3」もお読み下さい。
もうリバウンドに悩まない、一生モノの太らない習慣が手に入ります。
Footnotes
↑1 | スリランカ,ミャンマー,タイ,カンボジアなどで信仰されている,いわゆる南方仏教の聖典に用いられている言語 |
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