わがやの末っ子は高校生。つまり、お弁当が必要です。
買い物が間に合わなかったり、疲れていたりすると、「ごめん、なにか買ってすませて」ですむので、幼稚園児や小中学生よりは、はるかに楽ですが、もうひとつ、お弁当作りが負担にならない秘訣があります。
それが、昨年、子供の高校入学と同時に買ったこの本です。といっても、この本に掲載されている料理を、いつもお弁当に入れているわけではありません。実のところ、長いことしまいこんだままで、写真のお弁当の料理も、この本のレシピではありません。
役に立っているのは、ちょっとおおげさですが、この本の思想というべきものです。
ちょっと長いですが、前書きの一部を引用します。
日本では、幕の内弁当然り、旅館の食事然り、たくさんの種類の料理を用意することがサービスであり、見栄えの良さだと考えられているかもしれません。でも、それを毎日のお弁当に当てはめるのは、ちょっと違うと思います。
わたしの作るお弁当は、とにかくシンプル。まずはご飯とたんぱく質をしっかり入れて、お腹を満足させることが最優先。そして、お弁当はお家の食卓の延長だから、食べたときにおいしいと思えるものだけを詰めるようにしています。いろいろ入れようとすると、本当においしいもの、ほんとうに食べてほしいものだけではすまなくなるからです。
そもそも、小さい箱のなかで栄養のバランスや理想のカロリーを取ろうとするのは無理。バランスは一日で考えれば良い、足りないものは朝食や夕飯で補えばよいのです。お弁当だけで生きている人はいないんだから、お腹が空かない程度でOK。
これはほんとうに目からウロコでした。
というわけで、すき間を埋めるためのプチトマトよ、さようなら。あんまりおいしくない冷凍食品よ、さようなら。こうして、上のようなワイルドなおかず2品のお弁当になったというわけです。
ちなみに、おかず2品とはいっても、本の中を見ると3品のものもあるし、ご飯も白いご飯ではなく、手がかかったものが多いので、わたしの作るお弁当のほうがさらに手抜きなんですが。
このやり方は、わたしの性格に合っているし、高校生男子というお弁当を食べる人に合っているから、ぴったり響いたのだと思いますが、肝心なのは、お弁当というものに、ずっと持っていた固定概念が覆されたことです。
こまごま詰めるのが好き、彩りよくかわいいのが好きな方は、もちろんそういうお弁当を作ればいいのだと思います。要は、あまり構えずに、自分にあった方法で楽な気持ちでできればいいなぁ、と。
新学期でお弁当作りに苦労されているお母さん、そして、お父さんたちの参考になれば幸いです。
★写真のお弁当のレシピ★
豚肉とブロッコリのオイスターソース炒め(2~3人分)
- ブロッコリ小は小房に分け、固めに塩ゆでする。
- タマネギ小1個は1センチ程度のくし形に切る
- ショウガ少々はみじん切りにする
- 豚肉薄切り 100g は3センチ程度に切り、ショウユと酒で下味をつけ、片栗粉をまぶす。
- 中華鍋(フライパン)で、ショウガ、タマネギを炒め、ざっと火が通ったらいったん取り出す。
- 豚肉を炒め、色が変わったら、ショウガとタマネギを戻し、ブロッコリも入れる。
- 塩、コショウ、オイスターソースで味付け。豚肉に下味が付いているので、控えめに。
人参のサラダ
- ニンジン小1本か大半分は、スライサーで細い千切りにする。
- サラダ油、米酢:各小さじ1、塩、コショウ、粒マスタード:適宜 を混ぜてドレッシングを作る。
- ニンジンとドレッシングを混ぜる。好みでレーズンを入れてもよい。