『忍たま乱太郎』は、NHKアニメの中でも最長寿番組だそうですので、食堂のおばちゃんのこのセリフをご存知の方も多いでしょう。
筆者からすると、このアニメは子供世代のものですが、自分が子供のころも、まさにこのようなしつけでした。
小学校低学年の頃は食が細く、好き嫌いも多かったため、給食が食べ切れませんでした。
友達がみなお昼休みで校庭に遊びに行ってしまっても、ひとり教室に残って食べていたことも何度もあります。
おとなになってからは、外食したときに残してもだれにも叱られませんが、子供の頃のしつけはいまも脈々と生きていて、「残してはいけない」「せっかくおいしい料理なのに作ってくれた人に申し訳ない」と思ってしまいます。
食べる量にしても、自分がどれだけ食べたいかではなく、目の前のお皿に載っているものは、すべて食べる、という食べ方をしていました。
マインドフルネスで10キロ減のダイエットに成功したはなし その1
満腹でも残すのではなく、完食するのが当たり前でした。
マインドフルに食事をすると、「だいたいこのへんで満腹だな」という感覚がはっきりわかります。
しかし、食べようと思えば、そこからさらに食べられるため、「残してはいけない」という気持ちがあると、満腹を超えて食べてしまいます。
マインドフルネスを知る前は、「満腹だよ」という自分の体の声に気づかず、ただ胃の容量ぎりぎりまで食べてしまうという状態でした。
そのような習慣だと、食べる量が自分の体の必要量を上回っている、つまり食べ過ぎなので、だんだん太ってきてしまいます。
筆者の場合は、年齢も60代間近、ほとんど体を動かさない生活なので、「満腹だ」と自分で感じられる、体が必要とする量は、ふつう外食で出てくる一人前よりかなり少ないのです。
「ご飯少なめ」と注文しても、まだ多い。
いつも残すことになってしまいます。
「ご飯少なめ」や「小盛り」という注文だと、多少値段を引いてくれる店が多いので、それもお店に申し訳なく感じてしまいます。
料理の値段のうち、食材費はごく一部なので、食材が多少少ないことを理由に割引してしまうと、お店が損なことがわかっているからです。
健康のことを考えると、肥満は大問題です。
さらに、コロナウイルスに感染した場合、肥満していると重症化するリスクが大きくなります。
残さず食べるというわけにはいきません。
一方で近所のおいしいお店は、適切な価格設定で、末永く繁盛してほしいと願っています。
冒頭に引用したツイッターのように、食品ロスという面からも残すのはよくないのですが、ゴミ箱に入れるものを自分の体に入れて、健康を損ねてしまうのは、優先順位を誤っているでしょう。
日本社会の高齢化はますます進んでいきます。
飲食店の量の設定も、これから柔軟に選べるように変わってくるかも知れません。
それまでは、お店の人に申し訳ない、もったいない、と思いながら、料理を残す日々が続きそうです。