職場でハラスメントを受けている。
毎日が苦痛でたまらない。
こんなとき、あなたはどこに相談しますか?

厚生労働省が実施したパワハラに関する調査では、「なにもしない」という人がいちばん多く、相談したとしても、会社には直接伝わらない相手であることが多いという結果が出ています。
会社はまったく信用されていないんですね。

会社に相談したら、ハラスメントをしている相手にばれて、さらに状況が悪化するのではないか。
会社はハラスメントをしている相手を守り、自分を辞めさせるのではないか。
どうせ会社はなにもしてくれない。

このような心配は当然です。
でも、社内でのハラスメントを本気でなくそうとしている会社も、どんどん増えています。
自分の会社が信用できるかどうか、どうやって判断したらよいのでしょうか。

ハラスメント防止専門家から見て、こんな会社なら相談をきちんと受け止めてくれるでしょう、という判断ポイントをあげてみます。

ただし、あなたが被っている苦痛がハラスメントだと会社が認めるどうか、ということはわかりません。
少なくとも、申告を握りつぶしたり、被害を申告した人に不利益になるようなことはしない、きちんと社内で取り上げて調査し、対処する用意がある可能性が高い、ということです。

判断ポイント1 相談窓口に複数のルートや方法がある

真剣に従業員の声を聞こうとしている会社は、担当窓口が1ヶ所ではなく、総務部と社長直轄窓口のふたつある、などという場合が多いです。
また、社内窓口だけではなく、弁護士や社労士、カウンセラーなど外部の専門家に依頼しているという場合もあります。
社内で、総務部の担当者に「やっといて」とまかせればタダなのですが、費用をかけて、外部に相談窓口を用意しているところは、本気度が高いといえます。
また、メール、電話、目安箱など、複数の方法を準備している会社も、信用できる可能性が大です。

判断ポイント2 管理職にハラスメント防止研修をしている

これはハラスメント対策の基本のキなので、きちんと取り組もうとしている会社は、まず研修を実施します。
ただし、管理職だけの研修は、それ以外の社員には内容を知らされないこともあるので、ここは情報収集をする必要があります。

判断ポイント3 トップの名前でハラスメント防止の宣言をしている

これも、本気で取り組もうとしている会社では、まず行うことが多い施策です。
そのほか、ハラスメント防止規程を最近策定・改正した、社員にアンケートを実施した、というのもあります。

うちの会社は3つどれもあてはまらない! という場合もあるでしょう。

行政等が行っている相談窓口を利用することも考えてみましょう。

相談窓口のご案内|あかるい職場応援団 -職場のハラスメント(パワハラ、セクハラ、マタハラ)の予防・解決に向けたポータルサイト-

最後に、「こんな会社には未来がない。転職しよう」という選択も大いにありだと思います。
辞めた会社がどうなろうと、もう関係ないといえばそれまでですが、残された同僚のことを心配する気持ちがあるのなら、辞めるときに「ハラスメントが苦痛なので辞める」ということを会社に伝えてはいかがでしょうか。

どの会社でも人材確保に苦労しています。
ハラスメントが原因で従業員が辞めたとしたら大問題です。
しかも、あなただけではなく、ふたり、3人と続いたとしたら・・・・
会社がハラスメント対策に取り組もうとする大きなきっかけになります。

それでもダメな会社であれば「この会社には未来がない」というあなたの判断は正しかったということでしょう。