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パワハラ警部補を懲戒処分=署員拳銃自殺の背景―警視庁 (時事通信) – Yahoo!ニュース

警視庁によると、警部補は自殺した巡査長を含む数人に対し、前年の検挙実績が少ないことを理由に叱責。2月中旬、巡査長らに「今後の身の振り方を考えろ。家族に相談しろ」と厳しく叱り付け、自殺前日の同月14日にも、再び「家族と相談してきたのか。きょう必ず聞いて報告しろ」と迫ったという。

被害者が自殺してしまったという痛ましい事件です。

しかし、業績があがらないために叱責したのだが、それがいきすぎてしまいパワハラになったという点では、どの会社にも起こりうる事件であるとも言えます。

指導する際に厳しく叱責すること自体は、パワハラではありません。とはいっても、やはり越えてはならない一線はあります。

それはケースによっていろいろですが、このニュースに典型的に出ているのは、「今後の身の振り方を考えろ」、つまり、「おまえはクビだ」という言い方です。雇用に対する不安を与えるような言動は、パワハラと評価されることが多いものです。

そしてもうひとつ、「家族に相談しろ」、つまり、私的な生活面にまで不当に干渉するようなものであれば、これも、パワハラとされるひとつのポイントになります。

最近の判例では、やはり、このふたつのポイントがパワハラだと評価された事件があります。

営業社員に対して、支店長が行った行為が不法行為であるとされ、会社と連帯して25万円の損害賠償が命じられました。(野村證券事件 東京地裁平成25年12月13日 平成25年(ワ)16559号)

その行為とは、ひとつは、日付を空欄にした退職届を提出させ、社章を取り上げたというものです。これは、失職するかもしれないという強い不安を与えるもので、注意または指導のための言動としてはいきすぎであるとされました。

そして、もうひとつは、営業目的が不達の場合は、営業社員が所有している自動車を売却するよう強要したことです。これは、私生活に対する過度の干渉にあたります。

「クビだ」と言う脅しでなくても、「おまえなんか、うちにはいらない」、「次の契約はないかもね」、「こんなこともできないんなら、もう会社に来なくてもいいよ」などは、全部同じ意味です。

発奮を促すつもりであっても、叱責する場合には、避けたほうがよい言葉ですね。

 

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