道を歩いていてヘイトスピーチを否応なく耳にすることが、これからあるかもしれない、という可能性に思い至って、かなり頭が痛い。宇都宮でも、昨年似たような団体(というか、構成員はだいぶかぶっているようだが)が、宣伝活動をしていたらしい。この動画に出てくる宇都宮地裁前なんて、三日にあげず通っている。 そういう場面に遭遇したら、いったいどうしたらいいんだ? 耳をふさいで通り過ぎる? 抗議する? ひとりなら自分ひとりの問題なのだが、子供を連れていたりしたら、子供にどうやって説明したらいいんだろうね。 冷静に、とか、毅然として、とか、口で言うのはたやすいのだが、実際にはそんなにかっこよくいくものではない。まあ、心の準備がないよりは、あったほうがまだ少しは適切に行動できるかもしれない、ということで、この時点でそういう暗い将来を思い描ける、ということは、まだよかったのかもしれない。
上に掲げた文章は、2009年4月12日付のわたしの書いたブログである。
あす26日、この「暗い将来」が現実化し、宇都宮にレイシストどもがやってきて、ヘイトスピートをわめきちらすそうである。 http://www.koudouhosyu.info/nkantou/scheduler.cgi?mode=view&no=5
「レイシストども」とか「わめきちらす」とか、聞き苦しいとは思う。ほんとうは、自分の悪口雑言の能力を総動員して罵りたいところなのだが、この程度で押さえているというのが正直なところである。
朝鮮学校無償化の問題で小山じゃなくて宇都宮か? とも感じたが、こんなもの口実であることはわかっている。もちろん、自分の住む土地じゃなければ、やつらがのさばってもいいなどとはまったく思っていない。
「街宣」とやらの現場は、うちから車で20分程度。しょっちゅう通っている場所だが、わたしは現場に行くつもりはない。
このことを知ったとき、高校生の息子にどう伝えるかしばらく悩んだが、結局こういうことがあることを説明して、この日は駅前に近づかないように注意した。
当事者である在日同胞たちが、たくさんカウンターに参加しているのは知っているし、わたしの友人たちもいる。
行かないことに決めたのはずいぶん前で、今回自分の街で行われるということから再考してみたが、やはり結論は変わらない。
でも、平気じゃない。後ろめたい。
わたしが情けない気持ちになっても、なんの役にもたたないし、まだ反差別の主張をきちんと書いたほうがマシなのかもしれないが、そういう気分でもない。
なんの生産性もない駄文であるが、とりあえずなにか書いて整理しないと仕事に集中できないので、書いてみた。ぜんぜんすっきりしないが、こういう自分を受け止めるしかない。