あちこちで管理職を相手にメンタルヘルスやハラスメントの話をしてるわけだが、いまの20代とわれわれ(50でこぼこ)はいったいどう違うんだ? という話になることがある。
われわれの若いころは、セクハラという言葉もパワハラという言葉もなかった。職場のストレスで心を病むなんて、あまり聞いたこともなかった。
でも、いまの若いものは、すべてにおいて甘やかされている。打たれ弱くなっている。れわれはどこまで我慢すればいいんだ、どこまで若い人に配慮すればいいんだ?という質問がでたりする。
どこまで、って、じゃあ、この線を超えたら、切れて暴言を吐いてもいい線なんてあると思います? と聞きたいが、まあ、そんなことは言わずに、自分たちの若いころのことをちょっと思い出してください、という話をしている。
大学はレジャーランドなんて言われていたし、適当に授業に出て、適当にサークル活動をして、適当にバイトして、それでも卒業できたし、そこそこ就職もできた。年を取ればだんだん収入も増えていくものだと、なんの根拠もなく思っていた。
でも、いまの20代は、物心ついたときから日本はずーっと不況で、終わりのない後退戦の中にある。お気楽だったわれわれと違って、すべてにおいて余裕がない。必死でしがみついてないと、振り落とされたら後がない。
仕事自体も、長時間になり密度もあがり、ずっと過酷になっている。
人は先行きに希望があれば、上司がうざくても、仕事がつまらなくても、肉体的にきつくても、なんとか耐えていけるものですよ。だからわれわれのいまがあるんじゃないですか? こんな社会を作ってしまったわれわれが、彼らになにを言えるんですか?
って、最後の一文は言わないけど。
つまんない世代論で、管理職のストレスをなだめられるとは思わないけど。