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得難い人材

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ジェンダーフリー・性教育バッシング―ここが知りたい50のQ&A

ジェンダーフリーを攻撃するサイトを見ると、二言目には「風呂や更衣室も男女いっしょ」にしようとするものだ、と出ているが、それがまったくデマであることが明らかにされている。

ひとつのトピックにつき、2,3ページでまとめられているので、性教育やジェンダーフリー教育の現状について概略の知識を得るにはよい本だと思う。内容的にも、実際の教育の現場を見ていなければ書けないようなものが多く、地に足がついていると感じた。


で、テーマからはちょっとずれてしまうのだが、この本にもっとも登場する人名は、間違いなく「山谷えり子」だろう。

再三にわたり、ジェンダーフリー教育反対の立場から国会質問をし、

二〇〇三年七月の衆院予算行政監視委員会で、山谷えり子衆院議員(保守新党)(※引用者注 当時。現在は自民党)は「長崎市の種本駿ちゃん四歳が、十二歳の少年の手によって殺されました・・・・」、その後の衆院予算委員会でも「手錠をかけられて少女四人が監禁されていました・・・・」などと「過激」性教育批判をする前に枕詞のように重大事件を話しています。これは世間を騒がしている性に関わる事件が、さも「過激」性教育に原因があるように錯覚させるための手段です。 (前掲書77ページ)

と、なかなか立派なデマゴーグぶりである。

確か、むかし民社党の政見放送でよく見たような気がするのだが、当時は当選できなかったらしい。で、2000年に民主党の比例区で衆院当選、2002年に民主党を出て保守新党に入り、2003年に東京3区から4区に鞍替えしてまで衆院に立候補するも落選、2004年の参院選比例区で、今度は自民党から出て当選。なんだかよくわからない経歴である。しかも、カトリック教徒でありながら、勝共連合の機関紙である「世界新報」にたびたびインタビューなどで登場したことから、統一協会との関係も云々されている。元サンケイリビング編集長ということで、産経ともつながりあり。

思想性のほうは、あれこれ見れば見るほどよくわからなくなってくるのだが、印象操作に長けているのは間違いないだろう。言ってることは根拠に乏しいし、ごく単純な手口なんだけどねぇ。自民党にとっては、得がたい人材かもね。

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