「質問力」という言葉をよく聞くようになりました。

ただ黙って聞いているよりも、質問したほうが、相手の人は「聞いてもらっている」という感じを強く持つことができます。

「あなたの話をもっと聞きたい」

「あなたの話は聞く価値のある話です」

「あなたは価値のある人です」

質問することで、このようなメッセージを相手に伝えることができるんですね。

でも、だからといって、なんでもやみくもに聞けばいいかというと、そういうわけではありません。

質問の内容によっては、相手の話の腰を折ってしまうこともあります。

また、相手が話したいと思っていたことではなく、質問した人の興味のある方に話が誘導されてしまい、話し手は言いたいことが中途半端のままで欲求不満になってしまう、ということも起こります。

そんなこと言われても、質問内容を考えているうちにタイミング逃しちゃうよね。どうしたらいいの?

と、お思いのあなたに秘訣をお教えしましょう。

それは、「自分の聞きたいことは聞かない」ことです。

・・・・えっ?

質問って、聞きたいからするんですよね? 聞きたいことを聞かずになにを聞くの?

と、驚かれると思います。

もっと具体的に言うと、相手が話している事柄で自分が知らないことが出てきたとします。そういうとき、質問したくなると思いますが、そこはぐっとがまんするのです。

話を最後まで聞くとわかるときもありますし、そこまで聞いてもわからなかったら、そのときに尋ねても遅くありません。

また、最後まで聞いたら、本題とは違う枝葉のことで、別に知らなくてもとくに問題ないこともよくあります。

とにかく、最後まで聞く。自分がわからないところは、話が一段落してから尋ねる。これが「自分の聞きたいことは聞かない」という意味です。

では、なにを聞けばいいのか。

それは、「相手が聞いてほしいこと」を聞くのです。

話がふっと途切れる。間が持てないのでなにか言いたくなりますよね。

そういうときには、まず、それまでの相手の話を簡単に要約します。

「きのうアクション映画を見に行って楽しかったんですね。」

これは、相手の話のテーマ、つまり相手が話したいことを確認するためです。

そのあと、続けて、いま自分で言った「相手の話のテーマ」を掘り下げる質問をするとよいのです。そのテーマであれば、もちろん「自分の聞きたいこと」で構いません。

「アクション映画を見ることが多いんですか?」

「ほかに、最近見ておもしろかった映画はありますか?」

「きのうの映画のどんなところがおもしろかったですか?」

「好きな俳優はだれですか?」

いろいろ考えられますね。

質問力アップのために、頭のなかに置いておいて下さいね。