益子祇園祭

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メンタルヘルス対策は労務管理

職場のメンタルヘルス対策というと、「難しい」「なにをどうしていいかわからない」というとまどいがよく聞かれます。

しかし、メンタルヘルス対策といっても、労務管理という仕事の中のひとつの課題です。

医学知識はとくに必要なく、従来の労務管理の考え方で対応できることがほとんどです。そうでなければ、人事労務の担当者や社労士がメンタルヘルス対策を語れるわけがないですよね。

そして、会社は働くところであり、治療したり、リハビリをしたりするところではありません。

まずはこの当たり前のことを、もう一度確認しておきたいと思います。

安全配慮義務とコスト

会社の目的は、利潤をあげることです。それがすべての土台であり、お客様や地域社会への貢献、そして、自社の社員を幸福にするなどは、利潤という土台がなければ成り立ちません。

利潤をあげるためには、コスト計算が必要です。つまり、人事部門であれば、この社員については、給与がいくらで、給与以外の法定福利費などの経費がどの程度かかる、という計算をして、仕事で得られる成果と見合わないと思えば、人を雇うことはできません。

労働契約に伴う安全配慮義務というのも、このコスト計算の内側での話です。裁判所も、採算を度外視して、うつ病になった社員に尽くしなさい、などということはまった言っていません。

労働契約というのは、会社側だけに義務があるのではなく、社員にも労務を提供するという義務があります。労働基準法や労働安全衛生法、雇用機会均等法などの法律を守っていて、客観的に合理的な理由があれば、解雇は自由です。

メンタル不調だけが特別ではない

精神疾患で休業していた社員の復職の判断や、リハビリ勤務させるかどうか、または、そのような制度を作るかどうかの判断をするときに、精神疾患以外の病気やケガのときとは違う、特別なものだ、というふうに考えていないでしょうか。その社員を雇い続けていて、コスト的に合うのか、その社員は給与にみあった労働を提供してくれるのか、という、上にさんざん書いた当たり前のことが忘れられていないでしょうか。

こう書くと、ブラック社労士と言われそうですが、会社と契約して労務相談に応じている社労士は、基本的に会社の利益になるようにアドバイスをしています。

36協定の限度を超えているだけでなく、月に80時間を超えるような長時間労働を行わせたり、セクハラ・パワハラを野放しにしていたり、などの状況で、社員の健康が悪化すれば、会社は責任を問われる可能性が高くなります。つまり、会社の不利益になる、大きなリスクを抱えているわけです。その点への注意喚起は当然必要です。

しかし、メンタル不調の社員への対応だけが、ほかの病気やケガなどの私傷病が原因で、お給料分の仕事ができない社員との対応とあまりに違うのはおかしなことです。

また、育児や介護で一時的にいままでと同じ時間や内容で働けない人、障害がある人とのバランスの問題もあります。

基本となる考え方

メンタル不調の社員、その家族との対応には、上に書いたような会社としての基本的な考え方を、まずきちんと説明することが必要です。

人事労務担当者で、メンタルヘルス対策をよく学んでいる人は、「目の前にいる社員を助けたい」という気持ちになりがちです。そのために、あの手この手を考える、という努力をすることは、もちろん正しい態度ですが、基本のキを忘れないようにしましょう。
 

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メンタルヘルス対策について、迷った時には、法律と心理、双方に通じたメンタルサポートろうむにご相談ください。
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