ワークショップ形式のセミナーで、「ほめほめタイム」といってペアになったり、グループで、順番にほめあう、というワークをすることがあります。
たとえば、ペアになって1分間相手をほめる。グループになって、ひとり一言ずつ、ひとりの人をほめる。
6人のグループであれば、6通りのほめ言葉が出てきます。

ふだん、集中的にほめられることって、あまりありませんよね。
当然ながら、照れます。くすぐったい。
でも、やはりうれしいんですね。
このワークをやると、場の雰囲気がとてもよくなり、参加者の方の顔が輝いてきます。
ほめる、ほめられる、ということは、とても気持ちがよく、モチベーションもあがってきます。

でも、なぜ日常ではそういう機会がないのでしょうか。

ワークでは、「ほめてください」と言われてほめるのですから、
「裏になにかあるんじゃないの?」
などと警戒する必要はありません。
でも、実生活では、とつぜんほめられると
「なにか、してほしいの?」
などと考えがちです。

ほめる、ということは、なにか、相手にコビを売っているような感じがして、やりにくい、と思ったりします。

そんなふうにいつも思っていると、頭が「ほめる」という方向に働きません。

ほめるためには、相手のいいところを見つける必要があります。
見つけるためには、相手をよく見て、相手の言っていることをよく聞くことが必要ですが、それをしなくなってしまうんですね。

「ほめてばかりいると、いい気になってしまうからよくない」
このように考えて、ほめないようにしている人もいるようです。
確かにそういう面もあるかもしれません。

でも、そういう人は、なぜか、
「けなしてばかりいると、ヤル気をなくしてしまうからよくない」
「けなしてばかりいると、自分がほんとうにダメな人間だと勘違いしてしまうからよくない」
「けなしてばかりいると、相手との関係が悪くなるからよくない」
とは、思いません。

相手の悪いところ、足りないところは、すぐ目につきます。
でも、いいところは、よく見ていないと目につかないものです。
とてもいいところを持っていても、それを当たり前のように思って気づかなかったりします。
けなすより、ほめることは、努力が必要なんですね。

その努力をまずしてみましょう。
別に難しいことではありません。

部下、同僚、配偶者、子供のいいところを、10個言ってみましょう。
紙に書きだしてもいいですね。
10個出てきましたか?
10個ぐらい、簡単だよ、と思ったあなたは、すばらしい!
きっと、あなた自身も、まわりからよくほめられて気持よくすごしていることでしょう。

10個、と言われて、悩んでしまったあなた。
まだまだこれからです。
いまから、10個のよいところを見つけるまで、相手をよーく見て、相手の言うことをよーく聞いてください。
10個と言わず、もっとたくさんみつかりますよ。

そして、相手のことだけでなく、自分のいいところも10個書きだしてみましょう。

ほめたり、ほめられたりすると、気分が良くなり、相手の人と仲良くなれます。
それが、自分であっても同じです。

「セルフほめほめ」で、自分とも仲良くなりましょう。