今週の出張は、盛岡でした。
またも「給与計算と年末調整」というテーマで、5時間のセミナーです。
会場の反応がとてもよくて、話にも熱が入りました。
参加者の方が、しっかり講師の顔を見て、ときどきうなづいたり、メモをとったり、できれば冗談には笑っていただけると、講師の方もだんだんのってきます。
参加者は、ただ受け身で聞いているだけのようですが、実は、講師に大きな影響を与えているのです。
このあたり、対面で行う「ライブ」としてのセミナーのおもしろさですね。
セミナーがつまらなかったら講師の責任ですが、楽しかったときは、参加者の方の力が大きいのです。
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■■ ポジティブシンキング ■■
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このところ、セミナーの中で「リフレーミング」をとりあげたり、ワークを行うことが多くなりました。
「リフレーミング」とは、一言で言うと、「いままでの自分自身のものの見方(心の枠)を超えて、別の見方をすること」です。
そのご説明の時、『ネガポ辞典』という本をお持ちして、内容を紹介したりしています。
ネガティブな内容をポジティブに変換する辞典です。元はiPhone アプリだったのですが、書籍が出て、いまは Android アプリもあります。
内容はユーモアたっぷりで、思わずにやりとさせられる項目がたくさんあります。
先日ご紹介して受けたのは「穴のあいた靴下」。語義は次の3つでした。
(1) 見るだけで笑いがこみ上げる物体
(2) それだけ愛用した証
(3) チラリズム
ポジティブシンキングも、ここまでいけばご立派!という感じですね。
日常生活の中で、つらいことがあったときなどに、「この体験があったから自分は成長できた」と考えるのも、リフレーミングです。
ただし、ひとつ注意していただきたいことがあります。
リフレーミングというのは『ネガポ辞典』のような、ネガをポジに変換すること、ポジティブシンキングだけではありません。
いつもポジティブに、楽観的に考えていたが、あまりうまくいかない。そういう場合に悲観的なものの見方を採用してみるのも、リフレーミングです。
また、イソップ童話の「すっぱいぶどう」のように、いやなことがあったとき、なにか理屈をつけて、自分自身の感情を納得させるのも、一見リフレーミングのようですが、実はこれは違います。
ほんとうに悲しくつらいとき、たとえば、身近な方の死に際して、「これは自分に必要なこと」「このほうがよかったのだ」と、ムリに自分を納得させてばかりいて、きちんと悲しむときを持たないと、いつまでも心の傷がいえなかったり、体を壊してしまったりします。
悲しい、さみしい、腹が立つ、というようなマイナスの感情も、その人にとっては自然な感情です。あえてポジティブにする必要もないのです。
リフレーミングは、固まって柔軟性をなくした心をしなやかにし、膠着している状況に風穴を開けるような、そんな効果があるものです。
感情を無視する、無理をする、というものではありません。
リフレーミングは、ポジティブシンキングを含んでいるのですが、それだけではない概念なのです。