4月は、人事労務担当者にとっては、仕事が多い時期です。
仕事が多いだけではなく、社員から提出してもらう書類も多く、なかなか出てこなくてイライラしたりしますよね。
あらかじめわかっているものは早めに通知する、文書で知らせる、こまめにさいそくする、このあたりは当然として、「遅れるとどういう不都合があるのか」を教えてあげることも有効です。
きょうは、届出が遅れると不都合のある手続のお話です。
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■■ 家族を被扶養者に入れるとき ■■
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3月末で、社員の家族がいままでの仕事を退職し、被扶養者になるケースがよくありますね。
「健康保険被扶養者異動届」には「被扶養者になった日」を記入する欄があります。
この欄の日付には注意が必要です。
たとえば、前職の退職が3月30日だった場合。
「被扶養者になった日」は、退職日の翌日の「3月31日」です。
この場合は、3月分の保険料は、社員の被扶養者として不要になります。
もし「被扶養者になった日」を「4月1日」と書いてしまうと、3月分はたった1日だけなのですが、自分で国民健康保険・国民年金に加入し、保険料を納付する必要があります。
このあたりは、前回の「空白の1日」と同じことですね。
社員から「3月末で退職」と聞いたときは、3月の何日なのか、きちんと確認しましょう。
また、退職しても失業給付をもらっている場合は、すぐには被扶養者になれないときがほとんどです。失業給付の受給の有無も、確認する必要があります。
もうひとつ、知って置かなければならないのは、、所得税法の「控除対象配偶者・扶養親族」(長いのでこの先は「扶養親族」と書きます)というのは、健康保険の「被扶養者」とは、別の規定になっているということです。
こちらは「年」が単位になり、収入の条件も違います。
また、税法上の「扶養親族」は、実際にその年いくら稼いだか、ということで見るのに対して、健康保険の「被扶養者」は、将来にむかって収入が少ないことが条件になっています。
たとえば、会社を退職した時点で、その年の所得(収入からいろいろな控除をしたあとの金額)が38万円を超えていると、所得税のほうは、家族の「扶養親族」にはなれません。
健康保険のほうは、その年の収入がすでに130万円を超えていても、その後無職のままで収入を得る見込みがなければ、退職した翌日から、家族の「被扶養者」になることができます。あくまでも「見込み」なんですね。
さらに、所得税の「扶養親族」と違う点があります。
それは、税法では「扶養親族」になるには、法律的に家族関係がなければだめなのですが、健康保険のほうは実質的に家族であればそれでよいのです。
これは別に運用でそうしているのではなく、法律にはっきり書いてあります。
具体的にいうと、事実婚の夫婦は、健康保険では、夫 or 妻の「被扶養者」になれますが、所得税では「扶養親族」とは見られません。
結婚した相手に連れ子がいた場合、健康保険では「被扶養者」になれますが、所得税の「扶養親族」とするには、養子縁組をすることが必要です。
結婚にさいして退職した場合、健康保険で相手の扶養に入るのは、同居か婚姻届か、どちらか早いほうでいいのです。入籍したのがいつだから、などと考える必要はありません。
ただ、事実婚で被扶養者になる場合は、離職票などの退職したという証明と、同一世帯である証明を求められれますので、住民票をいっしょにしておく必要はあります。
法律的に結婚していなくても、住民票はひとつの世帯にできるんですよ。
その場合、世帯主から見た続柄は「夫 or 妻(未届)」とすればよいのです。
結婚して被扶養配偶者になった届はとにかく早く出さないと、結婚した時点までさかのぼることができず、届出を出した時点からしか認められない場合があるので、社員が結婚した場合は、相手を扶養するかどうか、早めに確認しておきたいものです。
健康保険・国民年金の保険料ががタダになるかどうかの違いは大きいですよ。