10数年ぶりに2回めを見た映画。
最初は、ほんとにたまたま劇場で見て、その感想(というか、映画自体の感想はほとんど書いてないけど)は、上のリンクボックスにあります。

1)画像出典:Nos Passos da Maturidade (Encerrado) » Arquivo » A Incoerência dos Cheiros.
内容はほとんど忘れていたけど、この画像のスパイスがたくさん天井からぶらさがっている光景だけは、想像の香りとともに覚えていた。


英語のナレーションと字幕が入った予告編。なんと6分以上ある。

この映画がギリシャで大ヒットしたというのは知らなかった。
そもそも、ヨーロッパ映画が日本に入ってくる時点で、製作国ではかなりヒットしたということがわかるけれど。

トルコに住んでいたギリシャ系の家族が、トルコとギリシャの関係悪化に伴ってトルコから強制退去をくらってギリシャに移住し、主人公の少年はおとなになって、ギリシャで大学教授になる。
失われた故郷(街自体は当然あるけど、彼にとって)に中年になって帰ってみて、初恋の女性と再会してどうの、という映画だよ?

たとえば日本だと、中国または韓国で生まれ育った日本人の少年が、親に伴って彼にとっては異国である日本に帰国し、幼いころを過ごした故郷の街に成人してから初めて帰って・・・みたいな話がヒットするかいな?
どんなにアイドル使っても、ジャンル的にダメな気がする。

トルコではギリシャ人として扱われ、ギリシャではトルコ人として扱われる。
そういう立場の人って、世界中にはたぶんたくさんいる。

イスタンブールで、祖父のやっている小さなスパイス店で大好きな祖父にたくさんの教えを受け、料理をしたり、両親をちょっと困らせたり、といった最初の部分は、ほんとにほのぼのしてて楽しい。
でも、アテネに行ってからは、幼い少年が心を閉ざしてバスルームに立てこもり、幻想の中で見る祖父の店の屋根裏が、美しくも切ない。

イスタンブールに帰った主人公が、幼いころの友人たちに会っても、もう英語でしか会話できない、というのも、見てて心が痛む。

ギリシャとトルコの紛争の歴史、イスタンブールの歴史などをあまりよく知らないので、理解しきれない部分もあるんだろうけど、普遍的な心情を描いたものとして、無知な外国人にもじゅうぶん楽しめる映画だ。
心に残っていた映画をひさしぶりに見て、がっかりしなくてよかった。

もうひとつ。
映画の場面を使った美しいミュージックビデオをどうぞ。



メモ

邦題 タッチ・オブ・スパイス
原題 Πολίτικη κουζίνα (オリジナル)
Politiki kouzina (アルファベット表記)
監督 タソス・ブルメティス
俳優 ジョージ・コラフェイス
タソス・バンディス
マルコス・オッセ
バサク・コクルカヤ
関連書籍
劇場/媒体 DVD(レンタル)
だれと
観た日 2017/05/25

Footnotes   [ + ]