1)画像出典:私の恋 | 上映作品 | 韓流シネマ・フェスティバル ラブ&ヒューマン
輝国山人の韓国映画 私の恋

恋は愚行のかたまり。
登場人物たちがどうしようもなくおバカなのだが、どうしようもなく愛おしい。

恋愛中の感情のみずみずしさを、喜びだけじゃなくて辛さや恥ずかしさやじれったさやそういうものも含めて、これだけいきいきと描き出せる監督はそういないんじゃないかな。

チェ・ガンヒ演じる不思議ちゃんは、わたしとしてはもっともキライなタイプなのだが、天然ぶりがあまりにも堂に入っていて憎めない。
カム・ウソンも、彼女を失ったあとの静かな表情と、恋愛中の、彼女に振り回されつつ、でもまんざらでもなくて、彼女がかわいくてたまらない、という表情の違いがくっきり。

実はリュ・スンニョン(リュ・スンリョン)が目当てで見たのだが、役柄的にあまり見せ場がなかった。
同僚のイム・ジョンウンを憎からず思っているが、妻を失った痛手からまだ回復できず、彼女の気持ちが重荷。
それはよくわかるんだけど、妻を亡くしてからどのくらいたっているのか出てこないので、「もういいかげんこっちを向いて」という女のほうの気持ちにのっかるのか、「もう少し悲しむ時間をくれよ」という男のほうの気持ちにのっかるのか、ちゅうぶらりんになってしまう。

チェ・ガンヒ、カム・ウソンのふたりにしても、回想の場面では、学生なのか社会人なのか、なにをしている人なのかまったく出てこない。
ややこしい家族とか、貧富の差とか、ごちゃごちゃごちゃごちゃいろんな事情が語られる韓ドラを見慣れていると、いっそすがすがしいほどの情報の少なさだ。
こういう切り取り方も、ふたりの気持ちだけにフォーカスを当てることにつながっている。

オム・テウンが思いがけずよかった。
いや、いい役者なのは知ってるけど、無軌道のようでいて無責任じゃない、そのバランスをうまく保っていた。
フリーハグの活動(というのだろうか)をしている役で、「안아드립니다!(ハグします)」と人前で声をかけるんだけど、その声の力強さ、真っ直ぐさが印象的だった。

しかし、ハグという言葉は、日本語にうまい訳がないのね。
共感や慰めを示すために、軽く抱き合う、っていう習慣自体がないってことなんだろうけど。

4組のカップル2)宣伝文句はなぜか「5組」となっているんだけど、最後の一組はだれとだれ?が、どこかで交差するのかと思ってみていたら、皆既日食の日にある意味クライマックスを迎える、という共通点があるだけで、二組はまったく交渉がないまま終わったのが、ちょっと物足りない感じ。
伊坂幸太郎の読み過ぎかしらん。

韓国映画というと、くどい、えぐい、という印象がある人が多いみたいだし、それは別にはずれてはいないんだけど、こういう気持ちをそっとすくい取るみたいなのもあるよ、と宣伝したくなるんだよね。
恋をしている人にも、恋を忘れた人にもおすすめ。



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メモ

邦題 私の恋
原題 내 사랑
監督 イ・ハン
俳優 カム・ウソン
チェ・ガンヒ
オム・テウン
チョン・イル
イ・ヨニ
リュ・スンニョン
イム・ジョンウン
関連書籍
劇場/媒体  DVD(レンタル)
だれと
観た日 2017/05/15

Footnotes   [ + ]

1. 画像出典:私の恋 | 上映作品 | 韓流シネマ・フェスティバル ラブ&ヒューマン
2. 宣伝文句はなぜか「5組」となっているんだけど、最後の一組はだれとだれ?